大学受験生の皆さん,勉強は順調に進んでいますか?
秋からはいよいよ大詰めですね。
この夏休みに教え子たちと志望校選びをしていて気付いたことがありますので,2020年の大学受験予想として,それについて書いてみたいと思います。
先に結論から言ってしまうと,その『気付いたこと』とはズバリ,倍率のことです。
同じように既に気付いている人も中にはいるかもしれませんが,一年ごとに少しずつ変化してきたことなので,数年間に渡って大学受験に携わっていないとなかなか気付きにくいことかな,とは思いました。
では,どういう風に変化してきているのかというと,ここ5年間ぐらいで,どこの大学も余程人気のある学部でなければ2-3倍程度という状況から,マイナーな学部は5-6倍,人気学部は下手をしたら10倍前後という状況を経て,2019年度入試では,マイナーな学部でも7-8倍は当たり前,ましてや人気学部なら15倍前後という大学が続出している,ということです。
何故だろうかと考えてみたところ,ちょうどいま高校生の親世代が第二次ベビーブーム世代で,子供の数が多く何をするにも競争率の高かった世代なのでした。
思えば,この世代が大学受験生だった頃は人気大学や人気学部では20-30倍も当たり前でした。
したがって,一人あたりがもつ子供の数が減っているとはいえど,親世代の絶対数が多いので必然的にその子供の数も増えてしかり,ということになります。
しかし今の受験生たちにとって悪い事には,数年前に少子化がピークだった時に,経営難に陥ってつぶれる学校や,学部を統合して新しい学部を新設し,校舎を減らして受け入れ学生数も減らし,少数精鋭に切り替えて存続している大学もあります。
倍率が上がり続けることが怖い最大の理由は,それにともなって偏差値,つまり難易度があがっていく,ということです。
実際に,ここ数年でGMARCHの偏差値はいずれも3-8上昇しています。
ということは,以前は少し頑張って「とりあえずGMARCHのどこかにでもひっかかればいいかな。」と思っていたものが,GMARCHに合格するには数年前の早慶上智に合格するようなもの,と言っても過言ではなくなってしまってきた,ということです。
かといって入試の出題傾向や問題自体の難易度が急激に上がるわけではないので,これまで通り対策していくしかないのですが,今年までよりも来年2020年度入試では,プラスαの覚悟と気合が必要になってくる,と考えておいてもらえば良いでしょう。
対策の手を抜かないのはもちろんのこと,受験が激化するということは,それだけ多くの大学や学部,方式で受験した方が良いということになりますから,多ければ15回以上入試に向かうことになるでしょう。そのためには体力も精神力もこれまでよりも必要になってきます。
どうしても行きたくないところまで受験する必要はもちろんありませんが,出来るだけ手広く受験して,確率を上げて行かねばなりません。興味のあるところだけ2-3校受ければなんとかなる,という状況では全くなくなってしまっていると思います。
また,今年どこも受からなかったからといって浪人すると,2021年度はセンター試験の内容も大きく変わりますし,倍率も更に激化することが予想されますから,敢えていばらの道を進むことになり,あまりお勧め出来ません。
やはり何とか2020年度の受験で片を付けるのが良いでしょう。
ということで,誰にとっても苦戦が予想される2020年度の大学入試なのですが,手抜かりのないようにきちんと戦略をたてて,ぜひ頑張って欲しいと思います。