”女子大御三家”の一つ「東京女子大学」!その学部や入試情報など

大学

1.Abstraction

東京女子大学は、日本女子大学や津田塾大学と並んで「女子大御三家」と呼ばれる大学の一つで、その創設には新渡戸稲造も深く関わっているという伝統校です。「東女(トンジョ)」の愛称の方が馴染み深いかもしれません。ただ、名前は知っていてもその実態についてはよく知らない人が多いのではないでしょうか。2018年には100周年を迎え、学科の改変など新たな時代に向けた取り組みを行っています。その一方で、創立当初から「リベラル・アーツ」の重要性を唱えており、学部が「現代教養学部」の1つしかないことからも分かるようにその姿勢は今も変わっていません。時代に応じた変化を続けながらも、その根幹は守り続けている「東女」。今回はそんな東京女子大学について調べていこうと思います。

2.大学概要

東京女子大学は1918年に開学された非常に歴史ある大学です。創設当時の学長は五千円札にも肖像が使われた教育者新渡戸稲造でした。

2.1 学校の沿革・理念・使命など

創設に携わったのは新渡戸稲造と女子官費派遣留学生としてイギリスで学んだ安井てつです。2人がその必要性を痛感していた女子教育、差別のない大学教育のために、1918年、北米のプロテスタント諸教派の援助のもと現在の新宿で開学しました。そして1924年に今もキャンパスがある杉並区善福寺に移転し、1948年には新制大学として発足しました。

建学の精神は「キリスト教の精神をもって人格形成の基礎とし、リベラル・アーツを柱とする女子高等教育を行う。」であり、教育目的は「女性に高度の教養を授け、専門の学術を教授研究し、真理と平和を愛し人類の福祉に貢献する人物を養成すること」です。[i]また、創立以来「人間としての英知を養う教育」を理念として掲げ、「豊かな教養に基づく幅広い視野と高い専門性を身につけ、自立した女性を育てたい」という情熱のもと教育を行っています。[ii]

2.2 著名な業績や有名人

大学として様々な取組を行っていますが、中でも地域連携が盛んです。大学が所在する杉並区とは区内高等教育機関との連携協働を行い、区民の生涯学習支援や地域社会の発展、人材育成を目指しています。また、近隣の三鷹市とも連携協力に関する協定を結んでおり、研究成果の還元や地域住民の文化的教養の啓発、教育文化・コミュニティ創成や男女共同参画の取組などを行っています。

歴史ある大学というだけあり卒業生は様々な分野で活躍しています。政界では、日本初の女性代議士の1人である園田天光光や女性初の千葉県知事(全国でも3人目の女性知事)となった堂本暁子さん、日本初の女性大使となった元駐デンマーク大使の高橋展子など、財界では東証一部上場企業で初の女性重役となった高島屋常務の石原一子さんなどがいます。また様々な大学の教授などとして活躍する研究者や小説家も多数輩出しており、中島京子さんなど直木賞・芥川賞受賞者も合わせて5人います。瀬戸内寂聴さんもこの大学の卒業生です。その他にも女優の多部未華子さんやアナウンサーの高橋真麻さん、片づけコンサルタントで「こんまり」の愛称でも知られる近藤麻理恵さんなどがいます。

3.学部・学科

創設以来の伝統であるリベラル・アーツ教育のもと、「専門性をもつ教養人」の育成を目指しています。そのため、学科・専攻を設けているものの、多様な分野の授業科目を学ぶことで幅広い視野を身に付けることができます。

3.1 学部・学科についての概要

学部は現代教養学部のみです。2018年、創立100周年を迎え学科の再編があり、国際英語学科、人文学科、国際社会学科、心理・コミュニケーション学科、数理科学科の5学科が置かれています。また、以下の12専攻に分かれて専門性を高めています。

  • 国際英語学科:国際英語専攻
  • 人文学科:哲学専攻、日本文学専攻、歴史文化専攻
  • 国際社会学科:国際関係専攻、経済学専攻、社会学専攻、コミュニティ構想専攻
  • 心理・コミュニケーション学科:心理専攻、コミュニケーション専攻
  • 数理科学科:数学専攻、情報理学専攻

3.2 入学定員

1学年の定員は890人の小規模な大学です。内訳は以下の通りとなります。

表1 学科・専攻の定員

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

3.3 キャンパス・周辺地域の環境

キャンパスは杉並区の善福寺にあります。最寄り駅はJR中央線の「西荻窪」駅です。徒歩だと15分ほどですが、駅からバスも出ておりバスだと5分で着きます。また、JR中央線・京王井の頭線の「吉祥寺」駅や西武新宿線「上石神井」駅からもバスが出ています。(吉祥寺駅からは徒歩でも20分ほどだそうです。)

キャンパス周辺は閑静な住宅街であり、落ち着いた雰囲気で過ごすことができます。また西荻窪や吉祥寺にはおしゃれなパン屋やカフェ、ケーキ屋があり、もちろん飲食店やカラオケなどもあります。大学の近くに住んでも生活には困らないでしょう。

キャンパス内には教室棟や図書館、またグラウンドやテニスコートなどの運動施設があります。また学生寮もキャンパス内に設置されています。非常に自然豊かで雰囲気の良いキャンパスです。チャペルや本館、外国人教師館など戦前に建てられた歴史ある建築物も雰囲気づくりに一役買っています。(文化庁登録有形文化財にも登録されています。)

図1 チャペル

東京女子大学HPより)

3.4 学科・専攻

この章では、学科・専攻について詳しく書いていきます。[iii]

  • 現代教養学部
    • 国際英語学科:国際共通語としての英語を身に付け、英語文学や文化、英語の特色などを多面的に学ぶとともに英語教育や翻訳・通訳など実践的な力を育成します。
      • 国際英語専攻:英語を通じて人の心・文化を知り、国際社会で貢献できる女性を育てます。「English Studies」(英語学や文学・文化を学ぶ)「英語教育」(国際社会を担う人材育成)「英語キャリア」(通訳や翻訳などの能力を伸ばす)の3コース制を導入し柔軟な教育を行っていること、また、半年の海外留学が必修となっていることが大きな魅力です。[iv]
    • 人文学科:3つの専攻科目を入り口に人間文化の解明・知的文化的財産の理解を試み、社会のあらゆる分野で文化の創造・社会の発展に貢献できる人材を育成します。
      • 哲学専攻「哲学・倫理学」「美学・芸術学」「キリスト教学」の3分野を中心として、先人たちの思索もたどりながら筋道を立てて自分の考えを深めていきます。研究対象は現代の問題にまで及び、哲学の伝統に化学や芸術の視点を取り入れていきます。女性が人間として豊かに生きるための教養(リベラル・アーツ)を身に付けることが目標です。[v]
      • 日本文学専攻「日本語学」と「日本文学・文化」の2分野を軸とし、新しい領域とも融合させながら研究します。文学作品を通じて言語や作品を分析し、更に文化事象と関連付けながら日本の文学や文化の価値を発見することを目指しています。フィールドワークなど実践型の授業もある他、方言について専門的に学べるカリキュラムも特徴です。[vi]
      • 歴史文化専攻:歴史と文化を広い視野から観察し、その考察に基づきよりよい未来を探ることが目標です。「日本」「アジア」「西洋」3領域が対象ですが、領域をまたいだ「オリエント史」や現代的な「グローバル・ヒストリー」なども開講されます。歴史と観光学の接点を学ぶ「世界遺産学」や文字史料以外から歴史を学ぶ「考古学」「オーラル・ヒストリー」などの授業が特徴です。[vii]
    • 国際社会学科:現代社会を世界的な視野でとらえ、専攻の枠を超えて幅広く学んでいきます。人間社会の在り方を探求し地域社会や国際社会で活躍できる人材の育成が目的です。
      • 国際関係専攻:世界中を対象に政治・外交・歴史・文化などについて学び、自らの力で考え、真実を判断し、人を説得できる国際人を育成することが目標です。国際関係学、文化人類学、地域研究など様々な方法論を用いて国家間対立から生活習慣まで幅広く学びます。ジェンダーなど新しい視点の科目や、日本研究の科目も用意されたカリキュラムです。[viii]
      • 経済学専攻:現代の経済社会が直面する問題すべてを対象として分析し、公共政策や環境問題、国際開発などを体系的に理解します。そして仕事などを通じて身近な問題に取り組むことのできる人材を育成します。経営学も本格的に学べるほか、会計学など関連領域の授業、マーケティング調査を行う社会調査実習などの実践的な科目も充実したカリキュラムです。[ix]
      • 社会学専攻:高齢化や貧困、差別、介護などはもちろん、趣味やスポーツ、衣食住などあらゆるものに存在する問題を分析し、自ら問題提起とその解明を行い、他者と共有できる人材の育成が目標です。これら問題解決力やコミュニケーション能力を養い、更に情報収集力を含めた社会調査の技法を身に付ける演習・実習も1年次から開講されています。[x]
      • コミュニティ構想専攻:観光学や法学など社会科学の知識を用い、国際的な視野から一人ひとりの生活圏や幸福な人生などをデザインし、コミュニティを構想できる女性を育成します。まちづくりや観光など幅広い分野がテーマです。地域実践やキャリア実践、調査などテーマ別の実習科目を核としており、ワークショップなど問題解決型の実践を通して体験的に学んでいきます。[xi]
    • 心理・コミュニケーション学科:人間の心理と行動、コミュニケーションについて横断的に学び、分析能力と問題解決能力を養い現代における人間の在り方を考察できる人材を育成します。
      • 心理学専攻「基礎」「社会」「発達」「臨床」の4分野を基盤に多角的に学び、心のはたらきを理解し現代社会における人間の心の問題を解決できる能力を育成することが目標です。実験・調査・観察、更に統計的な分析など科学的・客観的アプローチを用いて「心」の謎に迫っていきます。1年次から実験・実習を経験し、少人数での演習も重要視しています。[xii]
      • コミュニケーション専攻「メディア」「情報デザイン」「多文化」の3つを柱とし、多様化した社会と人をつなぐコミュニケーションを多角的に探求します。各領域における幅広い問題を科学的に分析するため、実習を通し量的・質的データに基づく実証的研究法を学ぶことのできる実践的なカリキュラムが特徴です。ICTやメディアの多様化に対応しクリエイティビティも高めていきます。[xiii]
    • 数理科学科:数学、情報科学、応用数理学を横断的に学び、数理科学的知識と論理的思考力、技術を身に付けて社会や科学技術の発展に貢献できる人材の育成を目指します。
      • 数学専攻理工学分野、現代の科学技術の基盤である数学を基礎から体系的に学んでいきます。そして社会の様々な分野を支える数理的知識を身に付け、社会に貢献できる女性を育成します。数理ファイナンスやコンピュータ・シミュレーションなど応用数学についても学べるほか、問題演習や講究など少人数のゼミを通して理解を深めるカリキュラムが特徴です。[xiv]
      • 情報理学専攻:情報学と数学の知識、論理的な思考力を身に付け現代のICT社会で活躍できる理系女性の育成を目指します。情報科学の基礎理論から学び、自然現象の解明や社会現象の分析を目指して数理モデルを扱います。またプログラム作成やネットワーク設計などの実習、数値シミュレーションを行う科目も充実しており実践的な力を養うことが可能です。[xv]

3.5 特徴・資格

創設当初から掲げている「リベラル・アーツ教育」の実践のために「全学共通プログラム」と「副専攻制度」を設け、幅広い視野を育んでいます。全学共通プログラムは文字通り全学生が履修する科目群であり、学科・専攻で専門知識を身に付けるための土台とします。そして副専攻科目では所属する学科・専攻以外の学問領域、関連する領域を学ぶことで学際的な視点を養います。また主体的に学ぶ機会ともなっています。詳しい科目については次の章で書いていきます。

特徴的なプログラムとして、キャリア・イングリッシュ・アイランド」(実践的な英語運用能力の獲得や英語を使った仕事に必要な知識や心構えの習得を目的に行われる、全学生が自由に参加できる英語学習やキャリア形成のための様々な啓発活動)女性学・ジェンダー的視点に立つ教育展開(「全学共通プログラム」や「副専攻」の科目も含む)、グローバルビジョン育成のための様々な取組などがあります。

取得可能な資格は以下の表の通りです。各学科での所定の単位の履修、または各種過程を受講することで取得することができます

表2 取得可能な資格

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

3.6 名物行事や教授・講義など

名物行事は学園祭の「VERA祭」です。毎年11月上旬に2日間開催されており、2019年で66回を迎えました。有名芸能人を招いて行われるトークショーやミスキャンパスコレクション、「東女紅白歌合戦」、「TONJO GIRLS COLLECTION」などが人気で、これらの他にも音楽・ダンスなどのサークルによるステージ企画や文化系サークルやゼミの展示企画、有志団体の喫茶店や模擬店などが催されています。また、アロマクラフト体験やヘアメイク・メイクアップ体験、ビンゴなど体験型の企画もあります。西荻窪・吉祥寺のお店とコラボしたお菓子・パンの販売なども行われており、地域に根差した学園祭となっています。ちなみに名前の「VERA」は大学の標語のもととなったラテン語から来ているそうです。

その他にも、12月に行われるクリスマス・コンサートクリスマス礼拝、卒業礼拝などキリスト教にまつわる行事もあります。また、自治組織「学友会」が主催する「学生大会」という行事があり、学部学生の最高決議機関として学友会費の予決算など様々な問題について議論しています。学生のハイレベルな自治の在り方を示している行事と言えるでしょう。

続いて、特徴的な授業について説明していきます。前章でも触れた「全学共通プログラム」は海外大学・機関での体験的な学びや企業・自治体と連携した実践的な科目、ビジネス英語なども導入した英語教育、ICTリテラシーを身に付ける情報処理科目などがあります。また、女性の自己確立の基盤となる知識を身に付ける総合教育科目(「女性の生きる力」や「女性のウェルネス」、「人間社会の仕組みと問題」など)やキリスト教学科目も開講されています。

「副専攻制度」には、「キリスト教学副専攻」(聖書の内容やキリスト教の歴史、また文化や芸術との関わりなどを学ぶ)や「女性学・ジェンダー副専攻」(女性学・ジェンダーの視点から社会や文化の諸相を分析し、現代社会の課題も見出す)、「比較文化副専攻」(様々な地域の社会や民族、思想などを理解し、民族間の葛藤や文化の需要などについても考察する)があります。

学生からの人気が高い授業としては、条約などを見ながら国際問題を考察する「国際関係法」や、対人関係など身近な内容を取り上げて説明する「社会心理学」、女性の身体や健康に関する知識、ライフステージについて学ぶ「女性の健康科学」などがあります。その他にもメールの送受信の方法やwebページの表示方法などネットワークシステムの基礎を学ぶ「ネットワーク」や、メディアを通じた人間のコミュニケーション形態の変化とその影響を学ぶ「メディア史」、対面式調査を中心としたフィールド調査の方法について山形県や福島県で実践を行いつつ学ぶ「言語調査」などユニークな授業を受けることができます。

4.入試情報

ここでは入試について簡単に説明していきます。一般入試センター試験(共通テスト)により選抜される方式が大きな枠を占めており、それに応じた対策が必要でしょう。

4.1 入試種別

2020年度入学試験には一般入学試験(3教科型、英語外部検定試験利用型)、大学入試センター試験3教科型入学試験、3月期入学試験、知のかけはし入学試験、推薦入学(指定校制)、社会人入学試験、帰国生入学試験などがありました。2021年度からの入学者選抜については名称が変わり、一般選抜(個別学力試験型、英語外部検定試験利用型、大学入学共通テスト3教科型/5教科型/併用型、3月期専攻特色型/国公立併用型)が新たに実施される予定です。なお、現時点で学校推薦型選抜や総合型選抜については決定されていません。

4.2 受験日程/科目/難易度/平均点など

ここでは一般選抜(一般入学試験、センター試験利用試験、3月期入学試験)について書いていきます。
2020年度入学試験の受験日程は、一般入試が3教科型・英語外部検定試験利用型ともに2/3と2/4(学科によって異なる)で3月期入試が3/10でした。2021年度からの各方式の受験科目は以下の通りです。

  • 個別学力試験型
    • 数理科学科数学専攻:「英語」と「数学」
    • 数理科学科情報理学専攻:「英語」、「数学」+「数学・理科から1科目選択」
    • その他の学科:「国語」、「英語+世界史・日本史・数学から1科目選択」
  • 英語学部検定試験利用型:英語外部検定試験での基準以上のスコアを獲得していることが出願条件
    • 全学科:「国語」または「地理歴史または数学」のうち高得点の1科目
  • 大学入試共通テスト3教科型
    • 数理科学科:「数学」、「英語」、「理科」
    • その他の学科:「国語」、「英語」+「地理歴史・公民・数学・理科から1科目選択」
  • 大学入試共通テスト5科目型
    • 数理科学科:「国語」、「外国語」、「数学2科目」+「地理歴史・公民・理科から1科目選択」
    • その他の学科:「国語」、「外国語」、「数学」+「地理歴史・公民・数学・理科から2科目選択」
  • 大学入試共通テスト併用型:英語外部検定試験のスコア取得が条件(詳細は未定)
  • 3月期専攻特色型:大学入試共通テスト1~3科目の得点と個別試験(小論文、学力試験など学科・専攻により異なる)
  • 3月期国公立併願型:大学入試共通テスト5科目

なお、2020年度に行われた「知のかけはし入学試験」は推薦入試の一種であり、書類審査(英語外部検定試験の成績や英語以外の外国語資格・検定試験の成績、志望理由書、調査書)による第1次選考講義、小論文、グループディスカッション、面接などからなる第2次選考により選抜されます。第2次選考は11月半ばに行われ、出願の際は英語資格・検定試験で基準以上のスコアを保持していることが条件になります。

偏差値は心理・コミュニケーション学科や国際社会学科で高くなっています。同じ東京の女子大学では昭和女子大学や津田塾大学と同じくらいの難易度だと言えそうです。一般入学試験3教科型の受験者平均点は多くの学科で約60%合格者最低点は約50%~70%となっています。また、倍率は3倍を超えるところがほとんどですが、数理科学科ではやや低くなる傾向にあるようです。センター試験利用入試の場合、得点率は約70%~86%でした。

次の章でも触れますが、受験生向けの予約型奨学金なども利用が可能です。また大学のHPに「入試問題の傾向と対策」も掲載されており、大学がどのような人材を求めているのかを確認することもできます。入試制度の変更など未確定の部分もありますが、万全の対策をして本番に挑みましょう。

5.学費・奨学金制度

2020年度の学費は以下の通りです。全学科・専攻で120万円~130万円となっています。ただし、国際英語学科は必修である海外研修プログラムの費用(研修先大学学費、滞在費など)として150万円~300万円がかかります。

表3 各学科・専攻の学費

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

奨学金は成績優秀者の学業を奨励するため、また経済的な支援のために様々な制度が用意されています。全学生のうち約1/5が何らかの奨学金制度を利用しているそうです。下の表は大学独自の奨学金制度のうち主なものを記したものです。これら以外にも外国人留学生向けの奨学金や災害時の学費減免制度、また日本学生支援機構奨学金や民間企業などの学外奨学金も利用することができます。

表4 主な奨学金制度

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

6.学生寮

大学が管理している学生寮は、キャンパス内に「桜寮」と「楓寮」の2つがあります。「桜寮」は2016年に完成した2人部屋の寮です。経費は年額約50万円(食費込み)で、入寮費として別途7万円が必要です。留学生を積極的に受け入れており、日常的な国際流の場としても期待されています。「楓寮」は1984年に開寮した1人部屋の寮です。入寮費7万円の他に年額55万円(食費込み)ほどがかかります。食事は平日の朝・夕2食提供され、机やベッドなどの家具も備え付けられています。また、自習室や談話スペース、自炊用の共同キッチンも利用することができます。寮生によって自主的に運営されており、当番などもあるため共同生活を通して協調性・自立性を身に付けることができるのも特徴です。スポーツ大会や七夕会、クリスマス・パーティーなどの行事も行われ、寮生どうしのきずなも深まるでしょう。

この学生寮の他にも大学が推薦する学生アパート・学生会館などを紹介しています。大学周辺は家賃が比較的高い地域ですが、西荻窪や吉祥寺の駅前にはスーパーマーケットやドラッグストア、商店街があり非常に暮らしやすい環境が整っています。

7.進路実績

2019年度卒業生の就職率は99.5%という高さになっています。また、内定先への満足度も高い(5段階評価で4以上の学生が約90%)のが特徴です。

7.1 進学・就職実績

就職率を学科ごとに見ると人間科学科(現在の心理専攻やコミュニケーション専攻など)や数理科学科で100%となっており、その他の学科・専攻でも99%を超えるところがほとんどです。就職先としては情報通信業金融・保険業が多く、次いでサービス業卸売・小売業などが多くなっています。また、職種は事務・秘書や営業・MR(医療情報担当者)、システムエンジニアが多い特徴があります。

就職する学生が多くなっていますが、大学院などへ進学し専門分野を更に深めている卒業生もいます。2019年度卒業生は33名(3.4%)が進学しました。特に心理学専攻や哲学専攻は比較的高い割合の学生が進学する傾向にあります。

7.2 大学院・研究機関の概要

大学院は人間科学研究科と理学研究科の2つが設置されています。
各研究科ともに博士前期課程と後期課程があり、置かれている専攻は以下の通りです。

  • 人間科学研究科:人間文化科学専攻、人間社会科学専攻(博士後期課程は人間文化科学専攻と生涯人間科学専攻)
  • 理学研究科:数学専攻

在籍者は合計73名で、中でも人間科学研究科の学生数が比較的多くなっています。さらに、大学に設置されている研究機関として比較文化研究所、女性学研究所、丸山眞男記念比較思想研究センターがあり、様々な研究を進めています。また、公開講演会やセミナー等を実施し、研究結果の還元に努めています。

8.大学の雰囲気/メリット/体験談

自然豊かでコンパクトなキャンパスは非常に落ち着いた雰囲気が流れています。チャペルなどの歴史ある建物と体育館や図書館などの近代的な建物が共存しており、全体の学生数が約3000人という小規模な大学なのでキャンパス内の移動も大変ではありません。キャンパスは「天皇の料理番」「アルジャーノンに花束を」などのドラマや映画のロケ地や「時をかける少女」などのアニメのモデルにもなっているそうです。また、結婚式をチャペルで行う卒業生もいます。

大学が実施している留学制度は、「協定校留学」と「認定校留学」の2種類です。協定校留学協定を結んでいる海外大学(アメリカのテンプル大学など9つの国・地域、28校)に留学する制度であり、認定校留学学生自らが自分の目的に合った大学を見つけ認定を受ける制度です。これらの留学では休学する必要がなく、留学先の単位を卒業単位として用いることができる場合もあります。また、語学研修ケンブリッジ教養講座などの海外研修プログラムも用意されています。語学研修は長期休暇期間に約1か月間行われる語学力向上と異文化理解を目的としたもので、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・韓国語を海外大学で学ぶことができます。また、「ケンブリッジ教養講座」はケンブリッジ大学において広い視野や深い見識を身に付けるために行われる教養講座です。会場となるヒューズホールは安井てつが留学したことで大学にゆかりがある場所でもあります。講義・演習・レポート作成・プレゼンテーションなど全てが英語で行われ、大学の理念であるリベラル・アーツを実践できる場となっています。

就職率を見ても分かるように、就職面のサポートは充実しています。キャリア・センターでは年間150日を超える支援行事を行っており、カウンセリングや面接・プレゼンの練習も行うことができます。授業や少人数の演習を通して主体性や問題解決能力など社会で必要とされる力を身に付けることができるのも高い進路実績の理由の一つかもしれません。また、ネームバリューの効果も少しはあるでしょう。アナウンサーやキャビンアテンダントになる卒業生が多いことも特徴の一つです。

学生は素朴で真面目、落ち着いた雰囲気の人が多いようです。もちろん、派手な雰囲気の人もいますが、気品のある立ち振る舞いが出来る人が多いそうです。人数が少ない分違う専攻の人ともつながりができ、友達一人ひとりとは親密になることができます。

交友関係はサークルでも築かれます。文化系サークルには音楽系や茶道部、筝曲部、演劇サークルや漫画研究会など様々な種類のものがあり自分の好みに応じて選ぶことができます。また合唱サークルやハンドベルクワイヤなどはチャペルを使った公演も行っているそうです。体育系サークルはチアダンス部やラクロス部などの球技、ダンスサークルなどがあります。インカレのサークルに所属して他の大学との交流がある学生が多いのも特徴でしょう。例えば競技ダンス部は東京大学などとのインカレで、東京女子大でも練習を行っています。大会でも良い結果を残している盛んな部活の一つです。このように、東大や早稲田大学、慶応義塾大学とのサークルが多いようです。女子大ということで、恋愛面が気になる人もいるかもしれませんが、恋人はこれらのようなインカレのサークルやアルバイト先で作る学生が多いそうです。

最後に、この大学の最大のメリットは勉強するのに最適な環境だということです。静かなキャンパスの中で真面目な学友たちと勉強に取り組み、社会に出るのにも恥じない「教養」を身に付けることができるでしょう。

 

参考

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