センター試験廃止!共通テストで地歴公民科目はどうなる?

社会系

一体どうなる大学入学共通テスト

 皆さん御存知の通り、センター試験は2019年度で廃止され、大学入学共通テスト(以後:共通テスト)に変更されます。すでに英語では民間試験を活用する入試方法が話題になっているのはテレビなどでも見たことがあるでしょう。また、国語や数学にも記述が導入されるということもあり、これまでの入試とはまた違った能力を求められます。

 しかし、ニュースで話題になっているのはその3科目ばかりで、他の科目がどのような形式になるのかはまだ知らないという人も多いと思います。そこで、今回は地歴公民科目について、新形式の共通テストにどう対応していくか、すでに公開された資料をもとに検討していきます。

大学入試センターが示す問題作成方針

モデル問題が地歴公民については示されていないため、まずは大学入試センターが公開している「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」[1]をもとに、どのような問題が用意されるかを読み解いていきます。

共通テスト全体を通して

まずは共通テスト全体が何を目的にしているか確認していきます。

大学入試センター試験における問題評価・改善の蓄積を生かしつつ,共通テストで問いたい力を明確にした問題作成」との記載があるように、まずはセンター試験を踏襲したものが想像されます。しかし、それだけではなく、社会生活や日常生活の中から課題を発見し可決するような場面、資料・データを基に考察する場面を意識した問題作成をするという方針が示されています。

特にこの、「資料・データを基に考察する場面」というのは地歴公民科目においてはこれまで以上に重要なポイントになるでしょう。

 地理歴史

地理については、やはり先に示されているように様々な事象を多角的に考察するような問題が増えることが予想されます。今までのセンター試験では、比較的その知識量を問われる問題も多く見られましたが、今後は知識に加えて、その地形的・歴史的な特徴をもとにどのような土地利用がなされるか検討する、というような問題が追加されることも想像できます。

(引用:H30センター試験本試・地理B)

例えばこの問題のような、地誌的な要素を持つ問題に地形情報を加えるような応用問題が出題されることも想定されるでしょう。「系統地理と地誌の両分野を関連付けた問題」という方針が示されている以上、より幅広い分野にまたがる知識の形成を意識しておく必要があります。

また、日本史・世界史についても同様に多角的な考察を重視した問題を作ると示されています。歴史的事象についての背景情報のほか、一件関係性のない歴史的な事件の共通性を問われるような問題が増えることでしょう。現行のセンター試験では大問1で扱われるような、対話式で問題が進行する形で、一つのテーマに基づいた、時代にとらわれない出題になれておくことが必要です。

その他、教科書で扱われない初見の資料を読み解き、元から持っている知識と結びつけ、仮説を立てて検証する問題という類型を示しているように、今まで以上に資料を重視した問題設計が行われることが容易に想像されます。資料集などに載っている史料をしっかりと読み、歴史的なものについての読み解き方を理解しておくことが重要です。

公民

公民分野には現代社会、倫理、政治・経済の3科目が含まれますがここでは倫理と政治・経済についてのみ解説を行います。

倫理については原点資料の使用について触れられているため、難化する可能性も含め十分に用意しておく必要があるでしょう。

(引用:H30センター試験本試・倫理)

この問題では原文の現代語訳版が用いられており、その文章を読んだ上で説明として適切なものを選ぶ形の問題となっています。今後は、このような問題形式がより加えられる可能性を意識した上で、それぞれの思想家の特徴を掴んでおく必要があるでしょう。

また、日本の思想史を扱う場合は原文がそのまま出てくる可能性についても十分留意しておく必要があります。先に扱った平成30年度入試においても内村鑑三の文章が引用されていることもあり、よりこのような形式が多くなり、場合によっては初めて見た文章の読解を要求される可能性もあります。わざわざ教科書に出たすべての思想家の文章を読む、というレベルまでは必要ないですが、その思想についてのある程度深い知識を求められることについては十分注意をしておきましょう。

政治・経済では知識だけに限らず、図表や資料をもとに読み解く力を要求されるようになります。以前よりグラフを読んで答える問題は出題されていましたが、あまり見たことのないグラフをもとに、複数の事象と結びつけて検討を行うといったような問題形式にも意識を向ける必要があります。

(引用:H30センター試験本試・政治・経済)

このグラフのような、BRICSの中での違いを見つけて検討することを要求するような問題が出題される可能性も増したといえるでしょう。基本的な内容は取りこぼさず、同時にこういった図表を読み解く力をしっかりと見に付け、どのような問題形式であっても読み解いていけるような準備を取る必要があります。

まとめ

ここまで、大学入試センターが提示した資料をもとに、新制度の共通テストで地歴公民科目についてどういった対策が必要か検討してみました。未だモデル問題が示されていない以上、深い考察を行うにも限度はありますが、それでも新しいテストが多角的な考察を中心に設計されていることは理解できたでしょう。

次回以降は政治・経済について、現行のセンター試験から新制度の共通テストまで対応できるよう、テキストを元に解説を進めていきます。新しい制度でも戦えるだけの力を皆さんがつけられるよう、わかりやすい説明を心がけていきます。

それでは、また次回!

参照文献

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