高校は学費で選ぶ?特徴で選ぶ?都立県立か,私立か

高校受験/中高一貫校対策

今日は,よく相談のある

「都立県立にすべきか,私立にすべきか」

という質問に対するアドバイスを書いてみようと思います。

まず思い浮かぶのは,学費の違い

両者の違いで,まず思い浮かぶのは学費ですね。

私立の方が高くて,都立県立の方が安いので,学費の面だけ考えれば誰でも都立の方が良いような印象を受けます。

しかし,学費のことを考える際には,以下のことも併せて考えてみて欲しいのです。

  • 大学受験のために塾や予備校に行く必要があるかどうか
  • 進学する予定の学校の現役進学率はどれぐらいか
  • 学校で,受験に向けての補習などのフォローが充実しているかどうか

まず①ですが,都立県立の場合は学校のカリキュラムだけでは受験対策としては不十分な場合が多いので,多くの生徒はフォローアップとして塾や予備校に通っています。

それには当然費用がかかりますので,その分も含め考えなくてはなりません。

私立でも塾や予備校に通っている生徒は多いですが,私立上位校の場合は,学校で塾や予備校さながらのカリキュラムを展開しているところも多く,そのために有名予備校で教鞭をとっている先生を臨時講師として呼んで,受験対策授業を行っている学校もあります。

また,私立高校では教科書を全く授業で使わずに,受験対策用の副教材(塾でしか買えない塾教材を使っている学校も多々ある)だけで授業を進めて行く学校も多くあり,塾や予備校とやっていることがかぶるので,塾や予備校に通う必要性を感じない,といった要素が結構あります。

その場合には結局,

都立県立の学費+塾,予備校=私立の学費

となることもあるので,あまり変わらないことになってしまいます。

次に②ですが,進学する予定の高校の大学進学率がどうかということをよく考えて判断してほしいということです。

というのは,例えば神奈川県のとある人気上位県立校では,毎年30名近くが有名国公立に進学しているのですが,その実態は現役が3分の1で,残り3分の2が2浪以上となっているのです。

つまりどういうことかというと,6割以上の生徒が浪人しているわけで,浪人の場合はほとんどの生徒が塾や予備校に通うことになりますから,その1年分ないしは2年分の費用を考えると,学校でしっかり受験準備をフォローしてくれる私立に進学した方が費用の面だけで言うと安い場合がある,ということです。

最後に③ですが,これについては既に上記で費用の話とあわせて言及したのですが,近年,私立上位校では少子化にともなう生徒激減の対策として,進学実績をあげるため塾や予備校顔負けの受験対策講座を設置する学校が増えて来ました。

学校の授業の中で教科書でなく受験対策用のテキストを用いる学校も多いため,学校の勉強+受験勉強を行わなくてはならない都立県立高校に比べて,学校の勉強=受験勉強とも言える授業を行ってくれる私立は一挙両得なのです。

おまけに,私立の場合は受験に配慮して極力無駄なことは行わせないようにするため,文系の生徒には理科の本体の授業は履修しないでよいようにするとか,理系の生徒には社会の履修は一年生の間だけにするとか,それぞれが対策の必要な教科にフォーカスして準備することが出来る環境を提供してくれます。

つまり,そういう面からも,私立は塾や予備校に行ってフォローアップしてもらう必要性が都立県立よりはずいぶんと少ないと考えることができるのです。

その結果,費用は学費を超えることはないと考えることができますね。

大きいのは,その性質の違い

次に言えるのが,その性質の違いです。

都立県立高校というのは,基本的には各都道府県が都民に均等な教育機会を提供しようとして設置している高等学校です。

どんな家庭でも一律の高等教育機会が与えられ,義務教育を終えてからも更に三年間,高等教育を受けることが出来るしくみです。

教員もみな公務員です。

したがって,大学に進学するにしても,5教科をまんべんなく学習して不得意分野を作らないようにし,国公立大学に進学することが最もよしとされる傾向があります

反対に,私立高校というのは,それぞれの創立者が独自の目的や精神をかかげて設置しているため,その創立者が生徒に提供したい教育をカリキュラムとして敷設しており,それに共感して入学してきた生徒の個性を伸ばし,特定の分野に秀でた生徒を育てて特定の分野で活躍する人材を送り出すことに重きを置いているため,進学先も私立大学が多い傾向にあります。

そのため,大学受験まで見越した時に,出来れば国公立大学に進学することを優先したい人は都立県立高校に,特定の職業につくことを考えて特定の技能を磨くために私立大学に進学することを考えている人はその分野に強い私立高校に進学するのが良いと思います。

高校受験の段階で先を見越すのは簡単ではありませんが,とは言っても大学受験はもう3年先にあることなので,頭に入れておいて損はないと思います。

まとめ

以上,簡単に都立県立高校と私立高校の違いについて書いてみました。

もう少し率直に短い言葉でいうのであれば,

器用で何でも人より出来るオールラウンダーなら都立県立高校職人肌で何か一つだけ人より誇れる特技がある,または興味のある分野にだけ狭く深く没頭したい個性派なら私立高校が向いていると思います。

いずれにしても表面的な学費や進学率だけでは選べない面が沢山ありますので,その辺りの違いをふまえた上でより自分に合う方を選択していただきたいと思います。

たった3年間ですが青春時代を過ごす大切な時間なので,自分が「この学校を選んで良かった!」と思えるような学校をぜひ選出してください。

そして,その学校に皆さんが合格されますように心からお祈りしています。

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