数学Ⅲをわかりやすく!二字曲線の極み

数学3

2次曲線を学習するにあたって

読者諸君がこれから学習する2次曲線は、主に楕円、放物線、双曲線の性質を学んでいく分野である。今までの分野と少し感覚が違うため、なれるのに少し苦労するかも知れないがひとつひとつの証明や図を見てしっかり理解してほしい。読者諸君の成功を祈る。

放物線・楕円・双曲線

放物線

定点Fと、Fを通らない定直線からの距離が等しい点の軌跡を放物線といい、点Fを放物線の焦点、直線をその準線という。また、頂点を通り準線に垂直な直線を、放物線の軸といい、軸と放物線の交点を、放物線の頂点という。

上の図1を使って説明する。点F (p,0)[p0]を焦点とし、直線l:x=-pを準線とする放物線をCとする。C上の点をP(x,y)、点Pからlに下ろした垂線をPHとすると、PF=PHから\sqrt{(x-p)^2+y^2}=|x-(-p)|が成立する。両辺を平方して整理すると、y^2=4px・・・(※)が導かれる。逆に、(※)を満たす点P(x,y)PF=PHを満たす。(※)の形を放物線の方程式の標準形という。放物線(※)の軸は軸である事は上の図を見ても分かるだろう。以下に基本事項をまとめておく。

放物線y^2=4pxの標準形に関して、

  1. 頂点は原点。焦点は点(p,o)。準線は直線x=-p
  2. 軸はx軸で、放物線はy軸に関して対称。
  3. 放物線上の任意の点から焦点、準線までの距離は等しい。

例題:

F(4,0)を通り、直線l:x=-4に接する円の中心の軌跡を求めよ。

解:

中心Pから直線lに垂線PHを下ろすとPH=PF。よって点Pの軌跡は、点Fを焦点、直線lを準線とする放物線である。その方程式は、y^2=4×4x。すなわちy^2=16x

楕円

2定点FF^lからの距離の和が一定(2a)である点Pの軌跡を楕円といい、点Fと点F^lをその楕円の焦点という。

P(x,y)F(c,0)F^l(-c,0)\[[c>0]\]とすると、PF+PF^l=2a・・・(☆)であるから

\sqrt{(x-c)^2+y^2}+\sqrt{(x+c)^2+y^2}=2aよって\sqrt{(x-c)^2+y^2}=2a-\sqrt{(x+c)^2+y^2}が成立する。

両辺を平方して整理すると、a\sqrt{(x+c)^2+y^2}=a^2+cxであるから、さらに両辺を平方して整理すると、(a^2-b^2)x^2+a^2y^2=a^2(a^2-c^2)となる。

PF+PF^l>FF^lより、2a>2cすなわちa>cであるから、\sqrt{a^2-c^2}=bとおいて両辺をa^2b^2で割ると\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1・・・(♡)が導かれる。逆に、(♡)を満たす点P(x,y)は(☆)を満たす。(♡)を楕円の方程式の標準形という。

また、楕円(♡)と座標軸との交点は楕円の頂点と呼ばれる。

さらにa>bからAA'>BB'である。このことから、線分AA'、線分BB'をそれぞれ楕円の長軸、短軸といい長軸と短軸の交点(今回の場合は原点)を楕円の中心という。

また、先ほどは焦点が軸上にある楕円の標準形を考えたが、焦点がy軸上にある楕円も上と同じような方法で考えることが出来る。下に基本事項をまとめておこう。

⑴焦点が軸上にある楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 (a>b>0) (標準形)

①中心は原点。長軸の長さは2a、短軸の長さは2b

②焦点はF(c,0)F^l(-c,0)の2点。ただしc=\sqrt{b^2-a^2}

③楕円はx軸、y軸、原点に関して対称。

④楕円上の任意の点から2つの焦点までの距離の和は2a(一定)。

(2)焦点がy軸上にある楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 (b>a>0)  (標準形)

①中心は原点。長軸の長さは2b、短軸の長さは2a

②焦点はF(0,c)F^l(0,-c)の2点。ただしc=\sqrt{b^2-a^2}

③楕円はx軸、y軸、原点に関して対称。

④楕円上の任意の点から2つの焦点までの距離の和は2b (一定)。

例題:

焦点がF(0,c)F^l(0,-c)で点を通る楕円の方程式を求めよ。

解:

焦点が分かっているので、求める楕円の方程式は\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 (a>b>0)とおける。

ただし、a^2-b^2=3^2

A(-4,0)は長軸の端点であるからa=4

よって、b^2=a^2-3^2=4^2-9=7

ゆえに、求める楕円の方程式は\dfrac{x^2}{16}+\dfrac{y^2}{7}=1

双曲線

2定点FF^lからの距離の差が一定(2a)である点Pの軌跡を双曲線といい、点FF^lをその双曲線の焦点という。

P(x,y)F(c,0)F^l(-c,0) [c>a>0]とする。

|PF-PF^l|=2a・・・(☆)から、\sqrt{(x-c)^2+y^2}-\sqrt{(x+c)^2+y^2}=±2a

楕円の場合と同様に変形をすると、(c^2-a^2)x^2-a^2y^2=a^2(c^2-a^2)

b=√c^2-a^2とおいて両辺をa^2b^2で割ると、\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1・・・(♡)が得られる。逆に、(♡)を満たす点P(x,y)は(☆)をみたす。(♡)を双曲線の方程式の標準形という。

また、2点FF^lを焦点とする双曲線において、直線FF^lを主軸、主軸と双曲線の2つの交点を頂点、線分FF^lの中点(標準形の場合は原点)を中心という。

さらに、双曲線(♡)上の点P(u,v)と直線(♤)y=\dfrac{b}{ax}・・・上の点Q(u,v^l)について、u>0v>0のとき

PQ=v^l-vの距離は原点から離れるほど0に近づいていく。これは、双曲線(♡)の第一象限の部分は点Pが原点から限りなく遠ざかるのに従って、直線(♤)に限りなく近づく事を表している。双曲線の対称性から、同じ事が第二~四象限でもいえる。このような曲線を漸近線という。また、焦点がy軸上にある場合も同様の証明が成される。下に重要事項をまとめておこう。

(1)焦点がx軸上にある場合の双曲線\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1(a>0,b>0) [標準形]

①中心は原点。頂点は2点(a,0)(-a,0)

②焦点はF(c,0)F^l(-c,0)。ただし、c=\sqrt{a^2+b^2}

③双曲線はx軸、y軸、原点に関して対称。

④双曲線上の任意の点から2つの焦点までの距離の差は2a(一定)。

(2)焦点がy軸上にある場合の双曲線\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1(a>0,b>0)

①中心は原点。頂点は2点(0,b)(0,-b)

②焦点はF(0,c)F^l(0,-c)。ただし、c=\sqrt{a^2+b^2}

③双曲線はx軸、y軸、原点に関して対称。

④双曲線上の任意の点から2つの焦点までの距離の差は2a(一定)。

例題:

次のような双曲線の方程式を求めよ。

2点(5,0)(-5,0)を焦点とし、焦点からの距離の差が8である。

解:

問題の2点が焦点であるから、求める双曲線の方程式は\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1とおける。

ここで、a^2+b^2=5^2

焦点からの距離の差が2aであるから、2a=8よりa=4

よってb^2=9なので、\dfrac{x^2}{16}-\dfrac{y^2}{9}=1

2次曲線と直線

2次曲線と直線の位置関係

諸君は、数学Ⅱの分野で円と直線の共有点について学んだと思う。2次曲線においても要領は同じである。2次方程式が重解を持つとき共有点はただひとつとなるが、このとき、直線は2次曲線に接するといい、その直線を2次曲線の接線、共有点を接点という。下に、2次曲線と直線の共有点についてまとめておこう。

2次曲線F(x,y)=0と直線ax+by+c=0について、これらの共有点の座標は、2次曲線と直線の連立方程式の実数解で与えられる。

(1)1変数を消去して得られる方程式が2次方程式の場合、その判別式をDとすると、

① D>0(異なる2組の実数解を持つ) ⇔ 2点で交わる

② D=0(1組の実数解[重解]を持つ) ⇔ 1点で接する

③ D<0(実数解を持たない) ⇔ 共有点が無い

(2)1変数を消去して得られる方程式が1次方程式の場合

④1組の実数解[重解で無い]を持つ ⇔ 1点で交わる

例題:

次の曲線と共有点の個数を求めよ。ただし、kは定数とする。

x^2+4y^2=20y=x+k

指針:

2次曲線の方程式、直線の方程式からyを消去して得られるの2次方程式について、その判別式の記号の符号で見分けよう。

解:

y=x+kx^2+4y^2=20に代入して整理すると、5x^2+8kx+4k^2-20=0

この2次方程式の判別式をDとするとD/4=(4k)^2-5(4k^2-20)=-4(k+5)(k-5)

よって、求める共有点の個数は

D>0 すなわち -5<k<5 のとき 2個

D=2 すなわち k=±5 のとき 1個

D<すなわち k<-5,5<k のとき0

2次曲線の接線

円で接線を考えたように、2次曲線においても接線が考えられる。ここでその表し方の証明を述べることも出来るが、結果の鮮明さが薄れるのでそれは控えて、結果だけを述べようと思う。下の例題を活用して理解を深めてほしい。

曲線状の点(a,b)における接線の方程式

①放物線 y^2=4px → by=2p(x+a)

②楕円 \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 → \dfrac{ax}{a^2}+\dfrac{by}{b^2}=1

③双曲線 \dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 → \dfrac{ax}{a^2}-\dfrac{by}{b^2}=1

例題:

(-1,3)から楕円\dfrac{x^2}{12}+\dfrac{y^2}{4}=1に引いた接線の方程式を求めよ。

解:

接点の座標を(a,b)とすると、接線の方程式はax+3by=12

これが(-1,3)を通るので、-a+9b=12

また、接点は楕円状にあるから、a^2+3b^2=12

これらを連立して整理すると、7b^2-18b+11=0

ゆえに (b-a)(7b-11)=0 よって b=1,\dfrac{11}{7}

求める接線の方程式は

x-y=45x+11y=28

2次曲線と離心率

楕円・双曲線も放物線と同じように定点Fと、Fを通らない定直線lからの距離の比が一定である点の軌跡として定義できる。点Pからlに引いた垂線をPHとするとき

PF:PH=e:1eは正の定数)

を満足するような点Pの軌跡は、Fを1つの焦点とする2次曲線で、lを準線、eを2次曲線の離心率という。このとき、eの値によって、2次曲線は次のように分類される。

0<e<1のとき楕円

e=1のとき放物線

e>1のとき双曲線

このように離心率は2次曲線を定義するのに最適な考え方ではあるが、受験生には扱いにくい上に出題率も低いため、このセクションの優先度は低くてよい。

まとめ

今回は主に放物線・楕円・双曲線の性質について学習してきた。それぞれの性質は独特な物であるから、記事の例題にとどまらず様々な演習をこなして理解を深めていただきたい。

参考

チャート式基礎からの数学Ⅲ

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