上手い説明に必要な「説明者の心持ち」とは

これでもあなたも説明上手?; 説明がうまいと思ったエピソード集

私はこれまで小学校、中学校、高校、大学と過ごす中で、授業であったり、就職活動であったり、もっと気軽に旅行中であったりと、たくさん説明を受ける機会があった。その中でもやはりはっとするような説明を受けたことが何回かあり、そういったものは強く印象に残っている。

それらを思い起こし、自分なりに共通点を探してみたところ、今回の題名である「説明者の心持ち」が大切なのではないかと思うようになった。

一体どんな姿勢で説明に挑むことが良い説明に繋がるのか。これから私がこれまで受けてきた説明の中で印象に残っているものを1つ紹介したい。

私にとって印象深いエピソードは高校時代の世界史の授業である。その授業は大学で地理学を専攻していた教師が担当しているものであった。世界史は私も受験で使用しており、得意な科目の1つであったが、高校時代にはかなり時間を費やしたと思う。というのも、ただ始めから1人で教科書を追っていると単調になりがちで、さらに時代や地域がどんどんと移り変わるために中々難しい科目だと感じているからだ。しかしその先生は、私にとって気難しい科目を、高校の授業の中で1番楽しく、次の授業が待ち遠しい科目に変えたのである。

なぜその教師は惹き込まれるような説明ができていたのだろうか。私はやはり教師本人が学生に説明をすること、授業をすることを心から楽しんでやっていたことにあると思う。ただ教科書通り授業をするだけでなく、常に自身の実体験を交え、説明を行っていた。

具体的には、説明に旅行へ行った時の写真やエピソードを交えたり、関連する映画を見たり小説を読んだりした時には学生にも一部分を共有したりしていた。そしてどのタイミングも自分自身が楽しんだことや興味を持ったことを共有しているために、心から楽しそうに学生に話をしていたのである。そういった導入からされる説明は、どれだけ堅苦しく難しそうなタイトルであっても、中身をすんなりと受け入れ、聞き入ることができると感じた。

先入観が取り払われると思うのである。実際に、この授業を受け、同じように感じている学生は非常にたくさんいたため、多くの人に共通することであるのだと私は思う。また、その教師に実際にどのような心持ちで授業を行っているのか伺ったことがある。彼からは、学生たちと一緒に学んでいかなければならないという姿勢を感じた

以上のことから、説明の上手さに繋がる「説明者の心持ち」というのは、説明者本人が説明することをどれだけ楽しんでいるかということであり、説明自体にどれだけ当事者意識を持って取り組んでいるのかということではないかと思うようになった。

私自身もこの教師を見習い、小学生や中高生に授業を行う際、どれだけ楽しんで学生たちに伝えられるかということを気にかけている。

1番そのことを実感できたのは、ある小学生に理科を教えていた時である。中学受験に向け、短い時間で1から理科を仕上げるお手伝いをしたのだが、当時私はその子の授業に合わせて、日々理科を復習していた。私自身も中学受験を経験しているが、中高生で学んだ知識を通してもう1度学びなおすと、やはり同じ問題も違った角度から簡潔に見えるようになっていた。新たな発見が多く、大変面白かったことを覚えている。ただバラバラに広がっているように見えた様々な単元がグループ分けされていき、まとまっていくことで、説明が理路整然としていき、小学生にわかりやすい説明をすることができたことは間違いがないと思う。

しかしそれに加えて自分が復習した中で新たに発見したことを面白くその小学生に共有するようにしていたところ、初めは毛嫌いしていた理科の授業を楽しみ、率先して理科を学ぶようになってくれたのである。私自身も学びなおすこと、そして伝えること自体を楽しむことができ、小学生と共有できたことで、互いに満足のいく授業というものを作り上げることができたのではないだろうか。

短い時間の中で、全単元をさらいきることは出来なかったが、理科全体で何が大切なのかという核の部分に最終的に辿り着き、無事合格を勝ち取ることができたことは、今でも忘れられない経験である。

私自身が高校時代に受けた授業や、小学生に向けて行った授業を通して感じたのは、やはり上手い説明をするということは説明者自身がどれだけ当事者意識を持って説明するということ自体を楽しめるかということである。

説明を聞くだけでなく、また自分が説明するようになったことで、説明する側の心持ちは相手にも伝わっているということを実感するようになった。

話す側が相手のことを思い、伝えることを楽しんでいる様子は絶対に聞き手側に伝わっている。説明自体の簡潔さは然ることながら、楽しむことから生まれてくる面白さ、楽しさが加わることでわたしは上手い説明になるのだと考えている。

上手い説明ができることはどのような状況においても、自分の強みになるであろう。私はこれからもそのような説明をする方にたくさん出会いたい。そしてその技を少しでも自分のものにし、説明する機会を持ち、自分が説明するときに活用していくことで、説明の上手さを磨いていきたいと思う。

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