その他特集〜経済学への招待〜

大学はこんなところ; 専門科目の概要を少しだけ紹介します!

広辞苑で「経済学」と引いてみると「経済現象を研究する学問」と書いてあり ます。ではそもそも「経済」とはなんなのか、と言われれば、特に近代的な意味に限定すれば「金銭を通じて、生活に必要なものを生産・交換するシステムのこと」を指します。このシステムが上手く回るような方法を探したり、この システムがこの先どのように活動するかを予測したりするのが経済学の役割です。

さて、ここまでは「経済学ってなんなのか」ということを(かなり大雑把ですが)説明しました。ここからは、実際に「経済学」ではどのようなことをやっ ているのかについて説明します。 ひとくちに「経済学」といっても、実は経済学にはいくつかの分野があります。一気に紹介してしまえば「理論」「実証」「応用」「学際」「思想史」の5つに分けられます。

  1. 理論
    この分野では、読んで字の如く、これから経済学を追究していく上で必要不可欠な基礎的な理論について学んでいきます。具体的に言えば「ミクロ経済学」 と「マクロ経済学」の2つに分けられます。経済学を学ぼうとしている人なら一度は聞いたことがあってもいい言葉かもしれません。
    ミクロ経済学では、経済において最も小さな単位である「個人」に着目して、個人の行動が経済にどのような影響を及ぼすのかということを学んでいきます。
    対してマクロ経済学では、個人よりも大きな人々の集団の活動に着目します。具体的には、例えばGDPという値(「国内総生産」という意味)がありますが、これはその国の人々の経済活動の結果として得られた値です。このGDPのように、人々の集団の活動の結果として得られたデータをもとに議論を進めていく方法を学ぶのがマクロ経済学です。
    先ほども書いたように、この理論分野はこれから経済学を学んでいく上で基礎となるもので、経済学のスタートラインになります。
  2. 実証
    この分野では、先ほど学んだ理論をもとに、実際に観測したデータを用いて議論を進めていきます。データを集めて分析することで、新たな理論を生み出すなどがあります。その分析の方法として、統計や解析、確率論といった数学的手法を用います(既に理論分野で出てきてはいるのですが)。
  3. 応用
    今まで我々は経済全体に着目して議論をしていましたが、この応用分野では、もっと狭い範囲に焦点を当てます。具体的には、金融経済学、医療経済学など、特定の分野における「経済」について考えていきます。もちろん、1と2の理論と実証の方法をもとにして議論します。
  4. 学際
    そもそも「学際」という言葉を初めて目にする方は少なくないと思います。 「学際」とは「学問」と「国際」を合わせてできた比較的新しい造語で「様々な分野の学問を統合した学問」という意味です。
    では、それが経済学ではどのようになるかというと、一番分かりやすい例は「経済物理学」でしょう。詳しい説明は専門書に譲りますが、経済物理学では、大量のデータを物理学的手法 (相転移と呼ばれるものなど)と用いて解析します。
    他にも、数学を使って議論されている経済学の部分に心理学の観点を取り入れた「行動経済学」など、様々な分野があります。経済学と物理学、心理学など、全く関係ないように見 える分野が実は繋がっている、という事実は、とても面白いものだと思いませんか。
  5. 思想史
    経済の歴史を学ぶ分野です。高校の「政治・経済」や「倫理」でやっていたことの多くは思想史になります。

いかがだったでしょうか。ひとまず「経済学」とはそもそもなにか、そしてど のようなことをやっているのかについてご紹介しました。みなさんが「経済 学」と聞いて想像するのはおそらく1や2のようなことだと思います。しかし1や2のようなことを学習していると、いつか3や4のようなことにそれを応用する日がやってきます(5はただの歴史なので…)。

学べば学ぶほど新しいこと・分からないことが出てくる、それが「学問」というものの醍醐味だと僕は思っています。

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