日本有数の国立工業大学「名古屋工業大学」!その学部や入試情報など

大学

1.Abstraction

名古屋工業大学、通称「名工大」愛知県名古屋市にある国立大学です。その名の通り工業系を専門としている大学であり、最先端の教育・研究が行われています。ちなみに、国立の工業大学は日本に5個しかありません。他の理系大学・学部のように大学院へ進む学生が多いのが特徴で、更に2016年には学部と大学院博士前期課程の6年間、一貫した教育を行う創造工学教育課程も開設されました。また、クラブ・サークルでも工学的な知識を活かした活動を行っており、ソーラーカー部は鈴鹿サーキットで行われるレースで3位を獲得したこともあります。今回は、そんな名古屋工業大学について調べてみました。

2.大学概要

名古屋工業大学の歴史は1905年にまでさかのぼります。長い歴史の中で研究者だけでなく政治家や経営者なども輩出しており、工学的知識と人材育成により豊かな未来を作っていくことを目標としています。

2.1 学校の沿革・理念・使命など

大学の前身は1905年に創設された名古屋高等工業学校(のちに名古屋工業専門学校と改称)と1943年に創設された愛知県立高等工業学校(のちに愛知県立工業専門学校と改称)の2つです。両者が1949年に合併し現在の名古屋工業大学になりました。

大学の使命を「日本の産業中心地を興し育てることを目的とした中部地域初の官立高等教育機関として設立されたことを尊び、常に新たな産業と文化の揺籃として、革新的な学術・技術を創造し、有為な人材を育成し、これからの社会の平和と幸福に貢献すること」[i]としており、「ものづくり」「ひとづくり」「未来づくり」の3つを掲げて教育・研究を行っています。

2.2 著名な業績や有名人

理系の大学ということで多くの共同研究・受託研究を実施しており、2018年度は303件の共同研究、105件の受託研究を行うという実績を残しました。また、知的財産権収入は約7600万円にのぼります。

著名な卒業生には、田野瀬良太郎さん(元自民党総務会長・元財務副大臣)やkenさん(ロックバンド「L’Arc〜en〜Ciel」のギタリスト)などがいます。そのほかにも、政界や学界に多くの卒業生を輩出しており、また著名な建築家や有名企業の社長なども多数輩出しています。

3.学部・学科

学部は工学部第一部第二部があります。夜間学部である第二部を持っているのが大きな特徴です。理系的な学問が軸となっていますが、社会工学科を中心に文系的な知識も付けることができます。

3.1 学部・学科についての概要

工学部第一部には高度工学教育課程創造工学教育課程の2つがあり、各教育課程に置かれている学科・分野などは以下の通りです。なお、創造工学教育課程では学部と大学院が接続された6年一貫教育を実施しています。

  • 高度工学教育課程
    • 生命・応用化学科(生命・物質化学分野、ソフトマテリアル分野、環境セラミックス分野)
    • 物理工学科(材料機能分野、応用物理分野)、電気・機械工学科(電気電子分野、機械工学分野)
    • 情報工学科(ネットワーク分野、知能情報分野、メディア情報分野)
    • 社会工学科(建築・デザイン分野、環境都市分野、経営システム分野)
  • 創造工学教育課程
    • 材料・エネルギーコース
    • 情報・社会コース

また、夜間学部である工学部第二部には以下の学科が置かれています。

工学部第二部…物質工学科、機械工学科、電気情報工学科、社会開発工学科

3.2 入学定員

各学科の定員は以下のようになっています。工学部第一部には合計約4,000人の学生が在学しており、その中で18%が女子学生です。

表1 各学科の入学定員

(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)

3.3 キャンパス・周辺地域の環境

キャンパスはJR中央本線「鶴舞」駅から徒歩7分、地下鉄鶴舞線「鶴舞」駅から10分、桜通線「吹上」駅から10分の場所にあります。名古屋から約15分とアクセスが良く、自然豊かな鶴舞公園のそばに立地しています。栄や大須などの繁華街にも近いので遊びや買い物など大学生活にも非常に便利でしょう。

学内には教室棟や実験施設などのほかに図書館や学生会館、自習スペースや学生寮などがあります。一本松古墳という古墳もあるそうです。また、本キャンパス以外の施設としてグラウンド・合宿所などの課外活動施設や様々な研修などに使われる「木曾駒高原セミナーハウス」も保有しています。

3.4 学科・専攻

この項では各学科について詳しく書いていきます。

  • 工学部第一部
    • 高度工学教育課程
      • 生命・応用化学科:
        環境問題やエネルギー問題といった課題の解決を目指し、幅広い科学的知識を身に付けて新規素材の創製や生命機能の解明・再生等のための知識・技術を習得することを目指します。「生命・物質化学」(分析化学など化学7分野と生命機能を制御・再生するシステム創製について学ぶ)「ソフトマテリアル」(人々の暮らしに資するソフトマテリアルの合成・設計などを学ぶ)「環境セラミックス」(情報通信や医療など多くの産業を支えるセラミックス材料の開発について学ぶ)の3分野があります。[ii]
      • 物理工学科:
        地域・産業の発展と持続可能な社会の実現のために「材料機能」と「応用物理」の分野を融合させ、イノベーションなどに不可欠な革新的機能材料の開発を目指します。「材料機能」(未来の地球に優しい先端機能材料を開発する)、「応用物理」(物理の原理を学んだ上で材料の高性能化とその応用技術に貢献する人材を育成する)の2分野があります。[iii]
      • 電気・機械工学科:
        自動車・鉄道・電気製品など身の回りの製品を設計する原理や生産技術まで幅広く学び、電気電子工学と機械工学の知識・応用力を持った技術者を育成します。「電気電子」と「機械工学」の2分野によりものづくりを極め、学術・産業の発展に貢献することが目標です。[iv]
      • 情報工学科:
        情報ネットワークなど情報社会の基盤となるインフラ技術やインフラ上に搭載される応用技術を習得し、次世代の新たな情報システムを実現し人にやさしい行動情報化社会を創成できる技術者を育成します。「ネットワーク」(情報社会を支える通信・計算機技術の開発のための知識を習得する)、「知能情報」(人のように思考・行動する知能処理システムを構築するための知識を学ぶ)、「メディア情報」(知覚や感性、感覚に基づく人にやさしいメディア情報システムの実現をめざす)の3分野があります。[v]
      • 社会工学科:
        持続可能な社会を構築するための工学的な知識と能力を身に付け、人間空間・都市環境・企業経営など国や地域社会と人の生活に深い関係を持つ分野の専門性を養います。「建築・デザイン」(建築や環境、デザイン等に関するプロフェッショナルを育成する)、「環境都市」(魅力ある都市社会や強靭な国土に資する技術者を育成する)、「経営システム」(心理学や経営学など文系的な知識も身に付け多様な社会システムをマネジメントできる人材を育成する)の3分野が置かれています。[vi]
    • 創造工学教育課程
      未来の産業や社会を工学技術により変革できる技術者・研究者を育成するために2016年に開設された新しい教育課程です。学部4年間と大学院博士前期課程の2年間を統合した6年一貫教育を行っており、自ら設計したカリキュラムのもと横断的に工学分野のセンスを身に付けた総合的エンジニアを育成します。[vii]
  • 工学部第二部第二部は夜間制の学部です。卒業までに5年間のカリキュラムとなっています。
      • 物質工学科:「化学」を通し幅広い視野から創造的な発想でものづくりに関わる技術者・研究者を育成します。
      • 機械工学科:機械や材料に関する正しい知識を身に付け、社会に役立つ環境に調和した機械を開発・設計できる技術者を養成します。
      • 電気情報工学科:現代のエレクトロニクス社会を支える電子・情報通信・計算機に関する知識と技術を身に付けた技術者を育成します。
      • 社会開発工学科:道路や上下水道、河川など社会生活を支える基盤施設の整備に関わる工学技術を学び、自治体や建設会社など幅広い職域で活躍できる人材を育成します。

3.5 特徴・資格

大きな特徴は大学院への進学者が多いことです。学部卒業者のうち72.1%が大学院へ進んでおり、より高度な研究を続けています。

また、必要な科目を履修することで以下の資格を取得することができます。

  • 電気主任技術者:電気・機械工学科(電気電子分野)
  • 電気通信主任技術者(試験の一部が免除):電気・機械工学科(電気電子分野)
  • 無線従事者(試験の一部が免除):電気・機械工学科(電気電子分野)
  • 一級建築士(受験資格):社会工学科(建築・デザイン分野)、創造工学教育課程
  • 測量士補・測量士(受験資格):社会工学科(環境都市分野)、第二部社会開発工学科
  • 甲種危険物取扱者(受験資格):生命・応用化学科、第二部物質工学科
  • 毒物・劇物取扱責任者:生命・応用化学科、第二部物質工学科

3.6 名物行事や教授・講義など

名物行事は毎年11月に行われる大学祭の「工大祭」です。アーティストを招いたライブステージ「NIT LIVE FES」や音楽系部活・サークルのパフォーマンス「魁~さきがけ~」、芸能人のトークショーなどが人気の企画となっています。これら以外にもフリーマーケットやスタンプラリー、模擬店などが催されます。また、お化け屋敷やリアル脱出ゲーム、ペーパークラフトやスライムづくり、ミニゲームの企画などもあるため近隣の子どもたちも楽しむことができるでしょう。なお、2020年度の「第58回工大祭」はオンラインの形式で11/21・22の2日間開催される予定です。

学生からの評価が高い授業としては、マーケティングの基礎について学び商品の企画・販売の感覚を養う「マーケティング」や、体験学習などを通してユニバーサルデザインについて学ぶオムニバス形式の「ユニバーサルデザイン論」、地元企業であるトヨタグループの生産方式について学びトヨタが発展した理由も考える「企業と社会」などがあります。

4.入試情報

工学を学べる国立大学としては全国でも上位の大学であり、工業大学の中では東京工業大学に次ぐ難易度となっています。

4.1 入試種別

工学部第一部の入試方法一般選抜(前期日程、後期日程)、学校推薦型選抜総合型選抜が用意されています。学科ごとに用意されている入試種別は以下の通りです。

表2 学科ごとの入試種別

(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)

4.2 受験日程/科目/難易度/平均点など

他の国公立大学と同じく、一般選抜前期日程は2/25.26に、後期日程は3/12.13に行われます。センター試験得点率は前期日程が70%前後、後期日程が70~75%となっており、偏差値は同じ国立大学の信州大学や北海道大学などと同じくらいです。

表3 受験日程と受験科目

(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)

学校推薦型選抜では推薦書・調査書などによる書類選考筆記試験・面接などの成績により選抜されます。英検やGTEC、TOEICなどの英語外部試験における基準以上のスコアや大学入試共通テストの受験が必要な学科もあります。また、電気・機械工学科の募集は女子生徒限定です。

総合型選抜スクーリングを受講し、その中での発表内容(製図・デザイン作品のプレゼンテーションと即日設計・制作)やエントリーカード、調査書および面接の結果により選考されます。

5.学費・奨学金制度

学費は、入学料が282,000円、授業料が535,800円(年額)となっています。

奨学金制度大学独自のものや日本学生支援機構、地方公共団体・民間育英団体など様々な種類が用意されています。大学独自の奨学金制度は以下のようなものがあります。

  • 名古屋工業大学ホシザキ奨学金
    強い意欲と高い能力があり博士前期課程に進学を希望するにもかかわらず経済的理由により修学が困難な学生を対象に、年額144万円を2年間支給します。ホシザキ株式会社の寄附によるものです。
  • 学生研究奨励事業
    学会発表・論文発表などを積極的に行い実績を上げている学生を対象に10万円(毎年10名)・5万円(毎年40人)の奨励金を支給します。
  • ダブルディグリー支援事業
    大学院でダブルディグリーを取得するために海外大学へ留学する学生2名を対象に、渡航費及び学資援助金として100万円を支援します。
  • NIT国際工学章海外派遣事業
    教育研究分野の国際交流を活性化し国際的視野を持った技術者を育成するために、海外大学に派遣される大学院学生2名を対象に100万円を支援します。
  • 学生プロジェクト支援事業
    学外機関が実施するコンペティションなどに参加する学生を対象に、上限2万円(個人)・10万円(グループ)が支給されます。
  • 名古屋工業会給付型奨学金
    経済的な理由で学生生活に不利益を生まないため、学部新入生を対象に月額2万円を原則4年間支給します。大学の同窓会組織による奨学金です。

6.学生寮

大学が運営している学生寮は、男子用学生寮の「恒和寮」があります。大学からバスと徒歩で20分自転車で20分の場所に位置しており、通学には非常に便利でしょう。個室には机や椅子、棚などの家具が備え付けられており、トイレや風呂、洗濯室は共用施設となっています。また食堂はなく原則として外食ですが、共用の捕食室で簡単な炊事をすることも可能です。寄宿料は月額7,000円で、他に光熱医水費などがかかります。

7.進路実績

大学院に進学する学生の多さが大きな特徴で、学部卒業者のうち72.1%が大学院に進んでいます。その一方で就職希望者の就職率も98%と非常に高く、自分に合った進路を選ぶことができるでしょう。

7.1 進学・就職実績

平成30年度卒業者のうち、工学部第一部からは72.7%、第二部からは36.3%の学生が大学院に進んでいます。進学先の大学院は名古屋工業大学大学院が大半ですが、名古屋大学や京都大学、東京工業大学など他大学の大学院に進む卒業生もいます。

就職率は、工学部第一部が98.3%、第二部が100.0%となっています。就職先の業種としては自動車や電子部品といった製造業が多く、情報通信業建設業に進む学生も多いのが特徴です。また、愛知県や名古屋市、豊田市などの官公庁で公務に就く卒業生も1年に40人ほどいます。

7.2 大学院・研究機関の概要

大学院博士前期課程は2020年4月に組織の改組が行われました。工学専攻の1専攻制となり、その下に6つのプログラムと1コースが置かれています。また、博士後期課程には7専攻が設置されています。

  • 博士前期課程:工学専攻(生命・応用科学系プログラム、物理工学系プログラム、電気・機械工学系プログラム、情報工学系プログラム、社会工学系プログラム、創造工学プログラム、社会人イノベーションコース)
  • 博士後期課程:生命・応用化学専攻、物理工学専攻、電気・機械工学専攻、情報工学専攻、社会工学専攻、共同ナノメディシン科学専攻、国際連携情報学専攻

また、学術推進組織として以下の機関が置かれています。

  • コミュニティ創成教育研究センター
  • オプトバイオテクノロジー研究センター
  • 先進セラミックス研究センター
  • 窒化物半導体マルチビジネス創生センター
  • 極微デバイス次世代材料研究センター
  • 先進生産技術研究センター
  • 先端医用物理・情報工学研究センター
  • NITech AI研究センター
  • 高度防災工学研究センター

8.大学の雰囲気/メリット/体験談

海外留学のためのプログラムは様々な種類があります。学術交流協定を結んでいる大学へ1年まで留学できる「交換留学」のほか、情報工学に関する講義が英語で受講できる1か月間のパリ留学プログラム「EFREI短期留学プログラム」など、専門的なプログラムも特徴です。また、世界36の国と地域の教育研究機関と94の協定を結んでおり、400名近くもの外国人留学生が名古屋工業大学で学んでいます。

実験施設や研究施設などの設備は整っており、新しく綺麗な建物が多いようです。図書館には訳46万4千冊の蔵書があり、レポートや課題の際にも利用することができます。また地域住民など学外からの利用者も多くなっています。

友人関係は学科内や部活・サークル、体育の授業などで出来るようです。学科が同じ人どうしは同じ授業になることも多く、趣味や将来の目標が似た学生が集まるので仲良くなりやすいそうです。ただし、学科によっては女子が少ないところもあるので恋愛がうまくいくかは人それぞれかもしれません。

部活やサークルでも友人関係の輪は広がります。また、これらに所属することで先輩や後輩との関係性も深めることができるようです。体育会系の部活はサッカー部、アメリカンフットボール部など球技系や航空部、自動車部といったものも活動しています。工業大学ならではのユニークな文化系クラブも特徴です。学生主体でマシンの設計・制作・運営を行い世界中のレースに参加する「S.E.V.(ソーラーカー部)」や、ロボットを製作・制御して『NHKロボコン』での優勝を目指す「ロボコン工房」、プログラミング全般や電子工作・サーバー運営・アプリケーション開発など自由に行う「C0de」などが活動しており、「ソーラーカー部」は「FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿2018」(鈴鹿サーキットで行われる大会)で総合3位、ロボコン工房は「NHK学生ロボコン2018」でベスト8奨励賞受賞といった優秀な成績を残しています。

参考

(以上8/5閲覧、secURLで確認済み)

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