社会学って実は身近な学問!?あなたが好きな◯◯も学べる

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「社会学って何を学ぶの?」とよく質問を受けます。その質問に対して、シンプルに答えるとしたら、社会に関係している問題や疑問を見つけて、研究する学問です。これを聞いて、「大雑把だなぁ」「範囲が広いなぁ」と思う方もしるかもしれません。分かったような分からないような感じになるかもしれません。なので、もう少し詳しく、具体例を挙げながら説明していこうと思います。

普段生活していて、何気ない素朴な疑問が浮かぶことはありませんか?例えば、

  • ディズニーランドってなんで「夢の国」なんだろう?なんであんなに人気なのだろう?
  • なんで東京ばかりに人が集まるのだろう?
  • なんで人々は占いを信じるのだろう?
  • なんで電車の中でスマホをいじる人が多いのだろう?

などなど、これら全て、社会学で学べることです。つまり、社会学とは、あなたの生活の一部を切り抜き、普段は当たり前だと思って見過ごしてしまっている事柄について、じっくり深く考えてみることなのです。そして、あなたの生活の一部を切り抜くのですから、テーマはあなたが興味を持っていること、あなたが好きなことについて、自由にテーマを選ぶことができるのです。

もしあなたが「ディズニーランド」が好きなのであれば、「ディズニーランド」の研究もできます。例えばディズニーランドでは、様々な空間配置工夫がされています。遠藤英樹の「東京ディズニーリゾートの想像力 『空間とメディア』の問題件」では、「『ワールドザバール』エリアでは、実際よりも通りを長く見せるように、エリアのなかに入っていけばいくほどに建物が小さくなるようにつくられている。さらに『シンデレラ城』が必ず通りの真正面に見えるよう配置され、訪問者たちは少しずつ日常の世界を離脱しファンタジーの中へと没入していくことができる」(遠藤 2015:p13)と考察されています。

(出典:LINEトラベルjp

ここで重要になるのは、「フィールドワーク」です。フィールドワークとは、自分が実際に現地へ行き、観察したり調査したりインタビューしたりすることです。例えば、ディズニーランドを調べるなら、実際にディズニーランドへ行き、建物やそこにいる人々の観察が必要になります。「年齢層」「性別」「どのような人」が来場しているのか調査したり、または「どのエリアが好きなのか」「ディズニーのなにが好きなのか」「アトラクション、パレード、食べ物の中で満足度が高いのはどれか」など実際にインタビューをしたりして、利用者の声を記録します。こうした記録をもとに、分析して、考察をまとめあげるのです。社会の問題や疑問を突き詰めていくには、このように実際に自分がそこへ飛び込んで、行動することも必要になります。自分が実際に、生の声を聞くことで、初めてその社会現象を理解できたり、新たな発見があったりしますただ机に座って、「ディズニーランドは◯◯だから人気なのでは?」とあれこれ考えるだけでなく、ディズニーランドに足を運ぶことで初めて外からは見えなかった面白い発見ができるのです。

もちろん、あなたが「ディズニー派」ではなく「ジブリ派」なのであれば、ジブリ映画についての研究もできます。例えば、「なぜジブリはあんなにヒットしたのか」という疑問を軸に、ジブリ映画がヒットした時代の社会状況を分析したり、ジブリ映画の中で描かれている社会について分析したりします。ジブリ映画に限らず、最近の映画で言えば、「君の名は」「ララランド」などがなんで爆発的ヒットしたのかを研究するのも面白いと思います。その映画がヒットした理由は、必ず私たちが生きる社会状況と関係しています。今、例を挙げた「君の名は」や「ララランド」に共通することはなんだと思いますか? 「映像美」と「音楽」です。「君の名は」はまるで写真のような細かな美しい絵が特徴的で、作品中には沢山の音楽が登場します。「ララランド」もカラフルな色遣いや美しい景色が登場し、音楽に合わせてストーリーが進んでいきます。つまり私たちは、映画の内容をじっくり味わうというより、映画の色や音楽などを楽しむことに重きを置いているのです。流し見やながら見ができるように気軽に見られるものとして、「君の名は」「ララランド」が位置付けられているという分析もあります。一概にこれが正解という結論はありません。社会に色々な人がいきている限り、様々なことなった分析や結論が生まれます。だから、社会学に正解はないのです。

他にも、あなたが「文化」や「伝統」「宗教」などに興味があるのであれば、「文化社会学」「地域社会学」「宗教社会学」という分野で、それらについて学ぶことができます。例えば、日本人は無宗教であると言われることが多いです。私たちの間では、なぜか「宗教」という言葉をタブー視しているようにも思えます。では、私たちには「信仰心」がないということになるのでしょうか。例えば、あなたはお正月に神社に初詣に行きますか? お彼岸にはお墓参りをしたり、お盆には先祖様を迎える準備をしたりしませんか? 神社に行けば手を合わせたり、節分や七夕などの行事を楽しんだりと、私たちは信仰心を無意識に日常に溶けこましているのです。

(出典:志波彦神社HP

にもかかわらず、「宗教」という言葉がタブー視されているのは、過去に「オウム心理教」「PL教団」「天理教」など、「新宗教」というものが流行し、「不気味」「危ない団体」と認知されるようになったからです。なぜそのような「新宗教」が生まれたのか、その背景には実に面白い社会的な理由が隠されています。もし興味を持ったのであれば、ぜひ社会学で、学んでみてください。

このように、社会学では、あなたが好きなもの、興味をもったもの、疑問に思うことについて自由に学ぶことができるのが、大きな特徴です。まずは、社会学ですべきことは、自分の普段の生活をじっくり観察することです。当たり前だと思って、見過ごしていることはありませんか? 自分で問題を発見したら、それは大きな第一歩です。そして次に行うことが、その問題を深く掘り下げいくために、観察・フィールドワーク・統計分析など、様々な手法を使って、解明していきます。そして自分なりの考察をまとめあげること。これが社会学で行い大まかなことです。ですので、まずはぜひ、自分の生活にある当たり前の出来事を疑う目を養ってみて下さい。

参考文献
  • 遠藤英樹, 2015, 『空間とメディア』ナカニシヤ出版
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