幅広い学びを提供し、ハイレベルな研究を誇る北陸の難関国大「金沢大学」!その学部や入試情報など

大学

1.Abstraction

皆さんは「きんだい」と言われてどの大学を思い浮かべますか?近畿大学のことを考える人も多いかもしれませんが、今回紹介する金沢大学「金大」と呼ばれています。前身の一つでもある金沢医科大学は「旧六医科大学」の一つにも数えられる由緒ある大学です。北陸地方の学術研究の中心としてハイレベルな研究を行っており、「学域・学類制」により幅広い学びが可能なのも特徴です。歴史と自然の豊かな金沢という街で学生は何を学び、どのような生活を送っているのか調べていこうと思います。

2.大学概要

大学は江戸時代から加賀藩・石川県に設置された様々な教育機関が前身となっています。大学設立当時は金沢城内にキャンパスがあったそうです。

2.1 学校の沿革・理念・使命など

大学の源流となったのは1862年に加賀藩が設置した種痘所です。(これが現在の医学類へとつながっています。)その後明治時代になり石川県下に設立された金沢医科大学、第四高等学校、石川師範学校、金沢高等師範学校、石川青年師範学校、金沢工業専門学校などが統合され1949年に金沢大学が誕生しました。当時は法文・教育・理・医・薬・工学部の6学部制(1980年に法文学部が文・法・経済学部に改組され8学部制に)でしたが、2008年に現在の3学域・16学類制に改組されました。

当初は「知識を養い,人を育てる場所を北陸にも」という人々の願いに応えるために創立されました。[i]現在は「金沢大学憲章」において「専門知識と課題探求能力,さらには国際感覚と倫理観を有する人間性豊かな人材を育成する」ことや「卓越した知の創造に努め,それらにより新たな学術分野を開拓し,技術移転や産業の創出等を図ることで積極的に社会に還元する」こと、北陸さらには東アジアにおける知の拠点として,グローバル化の進む世界に向けて情報を発信する」ことなどを目標として定めています。[ii]

2.2 著名な業績や有名人

大学の研究機関により最先端の研究が行われており、特に医学薬学の分野で高い実績を残しています。また、石川県や北陸地方の研究拠点、そして地域連携の拠点として社会貢献活動も実施しており、研究・教育を自治体や企業と連携しながら社会に還元しています。「地(知)の大学による地方創生推進事業」や能登里山里海SDGsマイスタープログラム金沢大学サテライト・プラザ」「くすりと健康プラザなどがその取り組みの例です。

国際交流も盛んで、世界46か国1地域、271もの機関と協定を結んでいます。また1500人以上の研究者等を海外に派遣し、400人以上の海外研究者などを受け入れています(平成30年度)。更に令和1年度は666人の外国人留学生を受け入れました。

歴史がありレベルも高い大学なので卒業生が各界で活躍しています。政治家では金沢市長を含む地方自治体の主張を多数輩出しており、大企業の社長や官僚・最高裁判所の判事など法曹もいます。また医学を含め研究分野や文学の道に進んだ出身者もいます。著名人では元阪神タイガース社長の四藤慶一郎さんや、オリンピックにも出場しメダルを獲得した体操選手の加藤宏子さん、同じくオリンピックに出場し入賞したトランポリン競技選手の古章子さんなどがここ金沢大学の卒業生です。

3.学部・学科

金沢大学では学部・学科制ではなく学域・学類制をとっています。(この制度をとっているのは他に大阪府立大学などがあります。)この制度の下、入学単位を「学類」とすることでより幅広い枠組みで学ぶことができるのが特徴です。3学域・16学類が置かれており、柔軟に、かつ自在に学びを深めています。

3.1 学部・学科についての概要

学域人間社会学域理工学域医薬保健学域の3つが置かれており、2021年からは新たに融合学域先導科学類が設置される予定です。各学域には以下の学類が置かれています。

  • 人間社会学域:人文学類、法学類、経済学類、学校教育学類、地域創造学類、国際学類
  • 理工学域:数物科学類、物質化学類、機械工学類、フロンティア工学類、電子情報通信学類、地球社会基盤学類、生命理工学類
  • 医薬保健学域:医学類、薬学類、創薬科学類、保健学類(看護学専攻、放射線技術科学専攻、検査技術科学専攻、理学療法学専攻、作業療法学専攻)、医薬科学類(2021年設置構想中)

3.2 入学定員

各学域・学類の入学定員は以下の通りです。

表1 各学域・学類の定員

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

3.3 キャンパス・周辺地域の環境

キャンパスは角間(かくま)キャンパス宝町・鶴間(たからまち・つるま)キャンパスの2つがあります。非常に広大な敷地を有しており、総面積は265万㎡で東京ドームおよそ57個分の大きさです。

角間キャンパスはほとんどの学域が使っているキャンパスです。200万㎡の敷地の中には教室・研究棟や陸上競技場・サッカー場などの運動施設、2つの図書館、カフェや食堂・売店などが揃っています。また、とても自然豊かなキャンパスで植物園や実験農場といった施設のほかに環境保全自然林「里山ゾーン」があり、キツネやカモシカ、鳥類や昆虫など多くの動植物が生息しています。地域の青少年・住民の学習活動や自然体験などにも使われる、自然を満喫できるスポットです。学生や住民、教職員が開墾した棚田もあります。ただし、アクセスはやや悪く金沢駅からバスで約35分かかります。キャンパスは山の上にありますが、その山のふもとに住む学生が多く周辺にはお店もたくさんあるようです。

宝町・鶴間キャンパスは主に医学類や保健学類で使われるキャンパスです。こちらにも図書館や食堂があり、医学類附属病院も設置されています。角間キャンパスよりは市内の中心地に近く、金沢駅からはバスで20分ほどの場所に立地しています。

3.4 学科・専攻

ここでは、各学類について詳しく書いていきます。

  • 人間社会学域人間とその社会が直面する21世紀の激変に立ち向かうため,「人間」と「社会」を探求する新しい学域です。[iii]
    • 人文学類
      歴史・文化・思想・言語などの探究を通し人間の行動や思考・創造のありかたについて考え、深い人文学的教養と問題発見能力、コミュニケーション能力などを身に付けた真のジェネラリストを育成します。学びながら関心に合わせて選択できるプログラム制には「心理学」「現代社会・人間学」「考古学・文化資源学」「歴史学」「日本・中国言語文化学」「欧米言語文化学」「言語科学」の7つがあります。[iv]
    • 法学類
      法的・政策的な観点から複雑な問題を解決し社会に貢献できる人材を育成します。教員1人当たりの学生数が約5人という少人数教育が特徴です。3年次からは「公共法政策」「企業関係法」「総合法学」の3コースに分かれて現代社会のダイナミズムの中で活かせる法的な知識や手法を習得し、将来の進路に向けた準備も行っています。[v]
    • 経済学類
      経済に関する専門的知識を備え、現実社会の経済や経営の場で様々な問題に対処し活躍できる人材を育成します。1年次の初学者ゼミを含めて少人数授業が多く、コミュニケーション能力やレポート作成、プレゼンテーションなど基礎知識を身に付けられます。また2年次後期以降は「エコノミクス」「グローバル・マネジメント」の2コースに分かれ専門性とともに国際感覚も養います。[vi]
    • 学校教育学類
      学校現場で生じている課題に対応し、子どもたちの内面に寄り添い生きる希望と勇気を与えられるような小・中学校および特別支援学校の教師を組織的・計画的に育成します。「教育科学コース」(教育基礎専修、特別支援教育専修)と「教科教育学コース」(国語教育専修、社会科教育、数学教育、理科教育、音楽教育、美術教育、保健体育、家政教育、英語教育)に分かれ専門的な知識やスキルを養います。[vii]
    • 地域創造学類
      地域が直面する課題に対応し、新たな価値を見出して地域再生を実現できる地域リーダーを育成します。少人数教育による幅広い知識と現場での調査・体験実習による実践力を重視したカリキュラムが特徴です。2年次から「福祉マネジメント」「環境共生」「地域プランニング」「観光学・文化継承」の4コースを設け、課題に実践的に対応できる力を養います。[viii]
    • 国際学類
      日本と世界について深く学び、グローバル化が進む時代において国際社会への洞察力を持ち異文化との「しなやかな共生」ができる国際人を育成します。外国・異文化への関心と探求心を持ち、将来国際的業務に就くことを目指す人を受け入れており、「国際社会」「アジア」「日本・日本語教育」「ヨーロッパ」「米英」の5コースを設けています。海外留学も推奨しており、豊富なサポートも特徴です。[ix]
  • 理工学域高度な創造力と技術力をそなえ、新たな価値の創造や技術革新を通じ社会に貢献できる科学人をめざします。[x]
    • 数物科学類
      「数学」「物理学」「計算科学」の3分野を有機的に総合した教育と研究を行い、これらの学問に対し確かな基礎力を活かして未知の問題に果敢に挑戦する意欲ある人材を育成します。まずは基礎をしっかり学んだ後、2年次に「数学」「物理学」「計算科学」(計算数理教育プログラム、計算実験教育プログラム)の各コースに進んで更に進んだ研究に取り組みます。[xi]
    • 物質化学類
      原子・分子レベルでの基本原理の理解と応用技術の創造に取り組み、想像力と技術力を身に付けた科学人を育成します。環境に適合した新しい機能性物質や日常生活を支える化学製品の開発・製造により、自然と共生しながら持続的に豊かに暮らすための科学技術の発展に貢献することが目標です。「化学」と「応用化学」の2コースに分かれて専門性を養います。[xii]
    • 機械工学類
      モノづくりを通して持続可能な社会の発展を支え、工業・産業の広い分野で活躍できる機械技術者・研究開発者を育成します。産業技術の基盤となる機械技術全般から、持続型社会を構築するための材料消費やエネルギー消費・経済に配慮した機械技術まで幅広く学ぶのが特徴です。「機械創造」「機械数理」「エネルギー機械」の3コースに分かれ、自然や人間・社会との調和を目指します。[xiii]
    • フロンティア工学類
      さまざまな工学の知識や技術を組み合わせて従来の工学の枠を超えた未踏領域を切り拓き、工学の飛躍的発展・未来のテクノロジー創造に貢献できるエンジニアを育成します。複数領域を学ぶためにコース制はとらず、「知能ロボティクス」「バイオメカトロニクス」「マテリアルデザイン」「計測制御システムデザイン」「ヒューマン・エコシステム」「ナノセンシング」の6プログラムで学びます。[xiv]
    • 電子情報通信学類
      高度に情報化された未来社会において電子情報通信の新たな分野を開拓し、社会に貢献できる創造性の豊かな技術者・研究者を育成します。ハードウェア実験やプログラミング演習などを通じて実践的な能力を身に付け、電子情報通信だけでなく自動車や機械、建築・土木など産業界全般で活躍することを目指しています。2年次後半からは「電気電子」「情報通信」の2コースに分かれます。[xv]
    • 地球社会基盤学類
      地球惑星の本質を理解し、豊かな社会を構築するための先端科学技術を総合的・実践的に学びます。地球と生命の歴史と、人間を取り巻く環境や自然災害、生活を支えるインフラを対象にして理学と工学の両面から地球惑星科学や土木・都市・環境工学に携わる人材を育成することが目標です。「地球惑星科学」「土木防災」「環境都市」の3コースに分かれ専門性を養います。[xvi]
    • 生命理工学類
      「生物と生命現象の理論と応用を学ぶ」ことに特化し、生命の神秘や営みを解き明かしてさまざまな分野の発展を目指しており、生命科学やバイオ工学、生命情報学などの観点からグローバル社会を牽引できる科学者やエンジニア、教育者を育成します。入学後は理学と工学の基礎知識を学び、その後「生命システム」「海洋生物資源」「バイオ工学」のコースに分かれ実験・演習を重視した専門教育を行います。[xvii]
  • 医薬保健学域「最先端の知識と技術を身につけ,温かさのある医療人を育てる」を目標に医・薬・保健のハイレベルな職業人を育成します。[xviii]
    • 医学類
      最先端の知識と技術を有し、かつ人間性豊かで社会に貢献できる医師・医学者を育成します。医学研修や診療の現場での積極的な体験を通して総合的な判断力とともに人間性についての理解と共感を深め、またコミュニケーション能力を備え患者中心の全人的医療ができるようになることを目指しています。他大学の医学部と同じく6年制です。[xix]
    • 薬学類 
      薬学の基礎的・専門的な知識・技術を修得し、豊かな人間性と高い倫理観を兼ね備えた次世代の薬学教育研究者を育成します。健康な長寿社会の実現に貢献することが目標です。6年制の学類ですが創薬科学類と一括で募集され、3年前期までは共通のプログラムで学びます。その後は調剤や医薬品管理など実践的なトレーニングを積み、薬局や病院での実務実習も行います。[xx]
    • 創薬科学類
      薬学類とは異なり4年制の学類です。3年次後期以降は創薬科学関連の専門科目の履修のほかに英語のトレーニングも行い、国際的な視野で活躍できる薬学教育・研究者や医療人を育成します。また研究者や製薬企業などに勤務する企業人、衛生行政に携わる公務員など幅広い分野での活躍を目指しています。[xxi]
    • 保健学類:人間の誕生から死までを科学の目でとらえ、患者・家族・友人・自分の健康な生活をサポートします。5専攻に分かれて学習しています。
      • 看護学専攻
        地域・社会が求める健康な生活や保健ニーズに対応できる看護の専門知識と技術を身に付けた実践者を育成します。また看護の発展に貢献できる人材を育成し北陸の基幹大学として地域に貢献することを目指します。[xxii]
      • 放射線技術科学専攻
        放射線技術科学とは最先端の医療技術を用い医用情報を得ることを目指す実践医学です。医薬や薬学、理工学を幅広く学び、人間性豊かな放射線技術者を育成します。[xxiii]
      • 検査技術科学専攻
        病気の診断・治療・予防に必要な検査を行い、また検査技術の進歩に対応できる臨床検査技師(尿や血液中の物質の定量や調査、細菌の同定など幅広い検査を行う)を育成します。[xxiv]
      • 理学療法学専攻
        理学療法学とは運動療法や物理療法により患者の障害等を克服するリハビリテーション医療の分野の一つです。高齢社会の到来により理学療法の需要は高まっており、豊かな人間性と愛情を持ち社会に貢献できる理学療法士を育成します。[xxv]
      • 作業療法学専攻
        作業療法とは身体や精神に障害を持った人々の応用的機能・能力を回復させ社会的な自立を支援するリハビリテーション医療の分野の一つです。知的・創造的・社会的に質の高い生活の獲得を目指した治療技術を修得し社会に貢献します。[xxvi]
    • 医薬科学類2021年設置構想中です。次代の先進技術や画期的な新薬の開発に寄与するイノベーティブな生命医科学研究者・創薬科学研究者を育成します。[xxvii]

3.5 特徴・資格

最大の特徴は「学域学類制」を採用していることです。入学時に学習・研究テーマを決める必要がなく、人間社会学域や理工学域の「経過選択制」(主に2年目にコースを決める制度)により1年間じっくり基礎を学び自分が本当に学びたいテーマを探すことができます。また各学類における必要最小限の科目「コア・カリキュラム」のほかに「主専攻・副専攻制」があり、興味関心のある科目を学際的・横断的に学ぶことで広い視野や柔軟な発想力を養うことができます。入試制度として「一括募集」があるのも特徴です。(入試の章で詳しく説明します)

取得できる資格は以下の通りです。

表2 取得できる主な資格

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

3.6 名物行事や教授・講義など

一番の名物行事は学園祭の「金大祭」です。10月最終週の2日間角間キャンパスを中心に行われ、市民の方も含めたくさんの人が訪れます。音楽系やダンスなどのサークルによるステージや他の文化系サークルによる活動発表(ライブ喫茶やジャグリング、脱出ゲーム、ビームライフル体験など)が人気企画です。また、有志団体による模擬店や講演会も楽しむことができます。

4月には新入生歓迎祭が開催されます。部活やサークルが活動紹介や勧誘を行い、様々なオリエンテーションやガイダンスも行われるので1年生どうしでも仲良くなることができるでしょう。

学生からの評価が高い授業としては、キリスト教の歴史的展開や文化など様々な宗教について学ぶ「ヨーロッパの宗教」(人間社会学域など)や、日本語の音の成り立ちや様々な言語の音の出し方などを学ぶ「音声学」(人間社会学域)、化学反応から効率的にモノを生産する仕組みを学ぶ「反応工学」(理工学域)、薬物動態や薬剤の剤形などについて学ぶ「薬剤学」(医薬保健学域)、外部から講師も招き淹れ方などコーヒーに関わる話を聞く「コーヒーの世界」などがあります。

ほかにも「日露をつなぐ未来共創リーダー育成プログラム」「『かがやき・つなぐ』北陸・信州留学生就職促進プログラム」など特徴的な教育プログラムが行われています。

また金沢大学高大接続コア・センターでは高校生を対象とした「KUGS高大接続プログラム」を開講しており、セミナーなど探求的な学びの機会を提供しています。受講後に課題レポートを提出することで「KUGS特別入試」の出願資格も得ることができるのが特徴です。

4.入試情報

この章では金沢大学の入試について説明していきます。2021年度からの入試制度の変更により種別など未定の部分もありますが、難関大学であることに変わりはありません。

4.1 入試種別

2021年度からの入学試験は一般選抜特別選抜(KUGS特別入試〈総合型選抜、学校推薦選抜、英語総合選抜〉、超然特別入試〈A-lympiad選抜、超然文学選抜〉、薬学類・高大院接続入試など)が予定されています。ただし今後変更される可能性もあるので注意が必要です。

表3 学域・学類ごとの特別選抜

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

一般入試では薬学類と創薬科学類を一括で募集します。また、一般入試には「一括募集」という制度があります。これは文理ごとに一括で学生を募集する制度で、1年間様々な分野について学んだ後に2年次以降に学類・専攻を選択できるという特徴があります。

4.2 受験日程/科目/難易度/平均点など

一般選抜はほかの国立大学と同じく2/25に行われます。学類ごとに共通テスト6~7科目と個別試験3科目(総合問題を含む学類もあり)の得点により選抜され、医学類のみさらに口述試験が課せられます。なお、英語外部試験は出願資格として利用しませんが、基準以上のスコアを取得している場合は共通テストの英語の得点に上乗せできる場合もあります。

KUGS特別入試は「金沢大学〈グローバル〉スタンダード」の略称で、大学が提供する「KUGS高大接続プログラム」を受講した高校生などが課題レポートによって評価され、基準を満たした場合に出願できる制度です。小論文や口述試験などによって選抜され、共通テストの受験が必要な学類もあります。

超然特別入試では数学か文学において特異な才能を持ち、将来その才能を活かして課題の解決に取り組める意志を持った人物を募集しています。大学が主催するコンテスト「日本数学A-lympiad」か「超然文学賞」に入賞した場合に出願でき、口述試験や小論文などによって選抜されます。共通テストを受ける必要はありません。

偏差値は薬学類地域創造学類経済学類法学類などで高くなっています。また国立大学の医学部ということもあり医学類は非常に難しいと言えるでしょう。難易度は同じ国立大学の岡山大学などと同じくらいで、千葉大学・広島大学と合わせて「金岡千広」と呼ばれ旧帝国大学に次ぐ難易度とも言われます。センター試験では8割ほどの得点率が求められる学類も多いので、共通テスト・個別試験ともに入念な対策が必要です。

5.学費・奨学金制度

学費はほかの国立大学と同じく、入学料が282,000円、授業料が1年間で535,800円となっています。

経済的に学業継続が困難な学生向けに、奨学金制度などの経済支援制度があります。大学独自の給付奨学金制度である「金沢大学学生特別支援制度」は英語学習奨励支援(英語能力試験にかかる受験の必要経費を給付)などが用意され、学生の学習・研究意欲と国際交流・社会貢献に対する意欲の向上を期待しています。大学独自のスタディアブロード奨学金」(50名に対し月額5万~10万円を給付)や外国政府による奨学金など留学生に対する奨学金制度も充実しています。

また、日本学生支援機構による貸与奨学金のほか、地方公共団体や民間奨学団体による奨学金を受け取ることも可能です。これら以外にも経済的理由により入学料の納入が困難でかつ学業成績が優秀な学生に対する入学料免除・徴収猶予制度もあります。

6.学生寮

学生寮は泉学寮(せんがくりょう)」と「白梅寮(はくばいりょう)」のほかに学生留学生宿舎があります。

「泉学寮」男子寮で、夕食代を含め諸経費は1か月あたり約15,000円です。「白梅寮」女子寮で、諸経費として1か月あたり約8,000円かかります(食事は自炊です)。いずれの寮も大学(角間キャンパス)まではバスで30分~1時間ほどです。またいずれも各室2人部屋となっています。

「学生留学生宿舎」外国人留学生と日本人学生がともに生活するシェアハウス型の学生寄宿舎です。角間キャンパス内に設置されているため通学にも非常に便利です。留学生の生活支援を行う「レジデントアドバイザー(RA)」として入居するタイプと海外留学などの国際交流活動を計画している学生が入居できるタイプがあります。前者の場合は1ユニットあたりに留学生6人とRA2人が暮らし、寄宿料は月額22,270円(光熱費等で別途約10,000円)です。後者の場合は1ユニットに留学生3人と日本人学生2人で暮らし、寄宿料は月額26,800円(光熱費等で別途約10,000円)です。学内にいながらも濃密な国際交流を経験することができます。

7.進路実績

2018年度卒業生の就職率は98.9%と非常に高い数字になっています。また更に理工学域や医薬保健学域などの理系学類を中心に大学院への進学者も多くなっており、更に専門分野を深めることもできます。

7.1 進学・就職実績

就職希望者に占める就職決定者の割合である就職率はどの学類でも非常に高く、100%となるところも少なくありません。就職先の特徴としては法学類などを中心に官公庁が多いことや、富山と福井を合わせた北陸3県に就職する卒業生が多いことが挙げられます。地元出身者も多く、地元に残って学んだことを還元しています。産業別に就職先を見ると、経済学類から金融業、機械工学類から製造業、環境デザイン学類から建設業、保健学類から医療・保健衛生業に進む学生が特に多い傾向にあるのが特徴です。

進学者も多くなっています。1学年の卒業生約1800人のうち進学者は500人以上で、理工学域のほとんどの学類では進学率が50%を超え、さらに創薬科学類でも94%という数字になっています。多くは金沢大学大学院に進学していますが、他大学の大学院に進む学生も約60人います(2018年度)。

7.2 大学院・研究機関の概要

大学院には7研究科が置かれており、すべての学類と接続して更に専門領域について深めることができます。また学際的・総合的な研究も可能です。前項で触れたように特に理工学域・創薬科学類からの進学率は高く、学生数は全て合わせて2305人となっています。研究科と設置されている専攻は以下の通りです。

  • 博士(前期)課程
    • 人間社会環境研究科…人文学専攻、法学・政治学専攻、経済学専攻、地域創造学専攻、国際学専攻
    • 自然科学研究科…数物科学専攻、物質化学専攻、機械科学専攻、電子情報科学専攻、環境デザイン学専攻、自然システム学専攻
    • 医薬保健学総合研究科…医科学専攻、創薬科学専攻、保健学専攻
    • 新学術創成研究科…融合科学共同専攻
  • 博士(後期)課程
    • 人間社会環境研究科…人間社会環境学専攻
    • 自然科学研究科…数物科学専攻、物質化学専攻、機械科学専攻、電子情報科学専攻、環境デザイン学専攻、自然システム学専攻
    • 医薬保健学総合研究科…医学専攻、薬学専攻、創薬科学専攻、保健学専攻
    • 先進予防医学研究科…先進予防医学共同専攻
  • 専門職学位課程
    • 法学研究科(法科大学院)…法務専攻
    • 教職実践研究科…教職実践高度化専攻

また、大学の研究施設としてがん進展制御研究所、ナノ生命科学研究所、ナノマテリアル研究所、設計製造技術研究所、環日本海域環境研究センター、先進予防医学研究センター、人間社会研究域附属地域政策研究センター、理工研究域附属先端宇宙理工学研究センターなどが設置されています。

8.大学の雰囲気/メリット/体験談

大学・キャンパスは自然豊かで、とても落ち着いた雰囲気です。角間キャンパスは全国でもトップレベルの敷地面積を有しており、山の中にあるため移動はやや大変ですが自然散策にもなるそうです。クマやイノシシが出ることもあるとか。また、大きくて綺麗な施設が揃っており、自然の中にありながらも現代的でとてもオシャレ雰囲気が感じられます。勉強にも最適な環境です。周りに遊ぶ場所が少ないため勉強に集中することができ、図書館や食堂などで1日中勉強に打ち込むことができるでしょう。

ただし、通学はやや大変なようです。大学の近くで一人暮らしをして徒歩や自転車で通う学生も多いようですが、坂がとてもきついのでバスや電動自転車を使うことも多いと聞きました。

部活やサークルは種類も多くとても盛んです。4000人以上の学生が所属して活動しています。体育系ではサッカーやバスケットボールなどの球技のほかに様々な部活のトレーナーなどが入っているアスレチックトレーナー部などがあります。また文化系では吹奏楽やアカペラなどの音楽系や様々な研究会、囲碁部・将棋部や児童系サークルなどが活動しています。これらのサークル活動を通して交友関係や恋愛関係を築くことが多く、他学類の人とも仲良くなることができるでしょう。

進路・就職面での充実したサポート体制も特長の一つです。就職ガイダンスやキャリア支援イベント、企業・官公庁説明会、OB・OGなど様々な就職支援行事を開催しており、個別相談も実施しています。海外を含めたインターンも充実しているようです。北陸では一番難関で有名な大学でもあり、北陸地方で就職するには最も有利でしょう。そのため北陸地方で働く人が多く、公務員になる卒業生も多くいます。

大学のある金沢市は非常に生活しやすく、また住んでいてとても楽しい環境です。石川県の人口当たりの高等教育機関の数は全国2位で、街も学生の生活を支援しており「学生の街」と言えます。また北陸地方の中心都市で市内は非常に生活インフラが発達していながら自然も豊かで、更に兼六園・ひがし茶屋街などの観光地もあり歴史情緒にもあふれています。このような環境が整っていながら生活費が大都市と比べて安いのも特長です。

一番のメリットは多彩なことを学び挑戦できるシステムです。1年次には教養科目などで幅広い分野に触れることができ、副専攻制度により自分の専門以外の授業も取りやすい雰囲気が流れています。また国際交流も大学全体として支援しています。留学に関しては半年・1年間協定大学で学ぶ派遣留学や休暇期間中の短期留学など様々な制度があり、奨学金など金銭的な支援も行っています。平成30年度は公式海外派遣プログラムを使って600人以上が海外留学を経験しました。更に海外からの留学生や金沢を訪れる観光客も多いので日常から外国語を使える機会が豊富なのも特長です。学類にもよりますが、忙しすぎることもないのでバイトや部活・サークルなど勉強以外にも様々なことに取り組むことができるでしょう。

参考

この記事を書いた人