数学Ⅲをわかりやすく!微分公式を徹底的に暗記

数学3

初めに

 数Ⅲにおいて、微分は重要な立ち位置を占めている。当然問題も多く作成される。数Ⅲをすでに学習している生徒はもう既に体感していると思うが、微分の計算量は相当多い。そこで、ある程度見慣れている微分の形を公式化して暗記しておくことで計算の時間を短縮しようというのが今回の狙いである。例題も載せておくので、これを通して微分計算に一層の理解を深めてほしい。

 

基本微分公式

教科書にものっている基本の公式である。すぐ答えが出せるようにしよう。

(x^a)^lの関数    (x^a)^l=ax^(a-1)

②三角関数       (sinx)^l=cosx

(cosx)^l=-sinx

(tanx)^l=\dfrac{1}{sin^2x}

以下、a>0a1とおく。

③指数関数    (e^x)^l=e^x

④対数関数           

導関数の定義による微分計算

微分計算の中には、導関数の定義に従って行うものもある。この解法は微分の原義、つまり極限計算だが、いざ自分で問題を解こうとすると忘れがちな解法である。是非定着を図ってほしい。

導関数の定義 

例題・・・定義に従って、次の関数の導関数を求めよ。

y=\sqrt{x+1}

解答・・・





積の微分法

積の公式を覚えているという人は多いが、その証明まで出来る人はどのくらいいるだろうか。この公式の証明は入試問題にもなり得るので、その証明を例題としよう。

積の微分法   

問題・・・積の微分法の公式を証明せよ。

解答・・・導関数の定義に従って証明する。




商の微分法

積の微分法の時と違って、公式中に引き算が登場するので、微分の順番を間違えないように細心の注意を払おう。

商の微分法     

証明はおのおの解いていただきたい。積の微分法と同様に導関数の定義に従えば解ける。

問題・・・次の関数を微分せよ。

解答・・・

合成関数の微分法

前の章で積・商の微分について解説したが、それと同等の重要性を持つのがこの合成関数の微分である。積・商・合成関数の微分がマスター出来れば、大抵の関数は微分できてしまうのである。ここで、微分計算において最も注意するべきは公式のxを勝手に他の文字に置き換えてはいけないということである。公式でない形の関数を微分するときは、一旦別の文字で置換しなくてはならない。その際、次のような公式が成り立つ。

要は、yuで微分して、uxで微分した物を掛けると、求めたい微分が得られる。これは実際に問題演習を通して感覚が分かってくるだろう。

※注意

上の公式を見て、約分を考えて「なるほど」と思った人もいるだろう。しかし、実はこの証明は単純ではなく高校数学を逸脱する。

例題・・・次の関数を微分せよ。

(1)y=(2x^2+1)^3
(2)y=(x+(x^2+1)^3)^4

解答・・・

(1)y'=3(2x^2+1)^2(2x^2+1)'=12x(2x^2+1)^2

(2)y'=4(x+(x^2+1)^3)^3(x+(x^2+1)^3)'
=4(x+(x^2+1)^3)^3(a+6x(x^2+1)^2)

√のついた関数の微分

√のついた関数の微分については、√を1/2乗と考えて(x^a)^lの公式を適用すれば良いのだが、登場する度にその都度計算していては時間がかかる。そこで、計算時間短縮と計算ミス防止の意味をかねて、√のついた関数については公式化しておこうと思う。

√のついた関数の微分   

例題・・・次の関数を微分せよ。

解答・・・

対数微分法

対数微分法は、両辺の絶対値の自然対数を取った後、両辺をxで微分する方法である。なぜわざわざそんな面倒くさい方法をとるのかと疑問に思う人もいるだろうが、対数微分法は変数が複雑に入り組んだ関数などに非常に有効な手段である。

では実際の対数微分法の方法を説明する。y=f(x)において両辺の自然数の絶対値を取ると、log|y|=log|f(x)|となる。この両辺をxで微分する事になる。これには合成関数の微分を用いる事になる。

実際に計算を通して、対数微分法を習得してほしい。

問題・・・次の関数を微分せよ。

y=x^x    (x>0)

解答・・・

x>0であるからy>0であり、両辺の自然対数をとるとlogy=logx^x

よってlogy=xlogx

両辺をxで微分すると、

\dfrac{y'}{y}=(x)'logx+x(logx)'=logx+1

y'=y(logx+1)=x^x(logx+1)

注意・・・問題の関数の形を見て、(x^a)^lの形の微分や指数関数の微分を使おうと思った人もいるだろう。しかし、それは間違いである。今回対数微分法を使ったのはそのどちらもが変数のxで構成されているからである。また今回絶対値をつけなかったのは両辺が正である事が確かめられたからで、その正負が確認出来ない場合は絶対値をつけなければならない。

陰関数の微分法

普段慣れ親しんでいるy=f(x)の形の関数(陽関数)に対して、f(x,y)=0の形の関数を陰関数という。円の式などはこの陰関数にあたる。陽関数に直して微分するのが面倒な場合、陰関数のまま微分することも出来る。このとき、合成関数の微分が必要になる。

例題・・・xの関数y4x^2+9y^2=36をみたすとき、\dfrac{dy}{dx}を求めよ。

解答・・・

両辺をxで微分すると、8x+18yy'=0

よって、

逆関数の微分法

y=f(x)の逆関数をy=f^(-1)(x)とすると、x=f(y)

両辺をxで微分すると、

これを用いて、逆関数の微分を求める事が出来る。主に次の2つの場合、逆関数の微分が有効である。

yxで微分するよりも、xyで微分した方が計算が楽になる場合

②そもそもy=f(x)の陽関数の形で表せない場合

問題・・・\dfrac{dy}{dx}をの関数として表せ。

x=y^2+4y-1

解答・・・

\dfrac{dx}{dy}=2y+4 より \dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{2y+4}

今回のまとめ

今回の記事では、教科書に記載されている微分法の他に受験で覚えておきたいものも並列した。数Ⅲの微分法は、多項式の微分だけで済んだ数Ⅱのそれとは違って様々な関数を扱う。その多さから苦手意識を持ったり計算になれなかったりする人をよく見かける。だが今回の記事のように、ひとつひとつの関数を自分の中で整理してまとめておくと周りと大きな差を付ける事が出来る。読者諸君はこの記事だけで満足せず、演習をしっかり積んで苦手意識の払拭に努めてもらいたい。

参考

チャート式数Ⅲ

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