図でわかりやすく解説!原子の構造と化学結合part2

化学

陽イオンと陰イオン 

 ⑸では18族のように殻に電子が8コ入った状態が安定だということを述べた。このような電子配置を閉殻構造または希ガス型電子配置といい、全ての原子はこの安定な希ガス型電子配置を理想とし、目指している。 

 

 その結果、余った電子を放出したり、足りない電子をもらって希ガス型になろうとする。これがイオンである。 

 

ex)

     

 Naは原子番号11なので、K殻に2コ、L殻に8コ、M殻に1コ電子が入っている。 

 

この最外殻電子1コさえなければ、 

Neと同じ最外殻が8コの安定な構造になれる。 

     安定 

 

Naは最外殻のこの電子を1コを放出してNa^{+}というイオンになる。(を放出するので自分は+になる 

 

   同じ電子配置! 

このように余った電子を放出して希ガス型の安定な配置になったものを陽イオンという。 

ex)MgはK殻に2コ、L殻に8コ、M殻に2コの電子が入っている。 

 

Mgは最外殻の2コの電子を放出してNeと同じ、安定な希ガス型電子配置をとりたい。 

 

Mg  Mg^{2+}となる! 

                     電子2コ放出 

 一方、FはK殻に2コ、L殻に7コの電子が入っている。 

 

7コ電子を放出すればHeと同じ電子配置になるが、それよりはここに1つ電子をもらってNeと同じ電子配置になる方が楽。 

 Fは最外殻に電子を1つをもらってF^{-}というイオンになる。(をもらうので自身も−になる。 

 このように、足りない電子をもらって希ガス型の安定な電子配置になったものを陰イオンという。 

 

ex)SはK殻に2コ、L殻に8コ、M殻に6コ電子が入っている。 

あと2コ電子をもらえれば、Arと同じ希ガス型電子配置になれる。そこでSS^{2-}というイオンになる。 

F^{-}S^{2-}Na^{+}Mg^{2+}のように右上に書いている+や−と数字をイオン価数という。 

F^{-}Na^{+}のように1つの原子が電子をもらったり、あげたりしてイオンになっているもの(単原子イオン)もいるが、SO4^{2-}といったように複数の原子が集まってイオンになっているもの(多原子イオン)もいる。単原子イオンは最外殻電子とにらめっこすればイオンが分かるものが多いが、多原子イオンは代表的なものは必ず覚えること。 

 

《代表的なイオン》〜暗記〜 

1価…H^{+}(水素イオン)、Na^{+}(ナトリウムイオン)、NH4^{+}(アンモニウムイオン) 

Cl{-}(塩化物イオン)、OH^{-}(水酸化物イオン)NO3^{-}(硝酸イオン) 

2価…Ca^{2+}(カルシウムイオン)、Cu^{2+}(銅(Ⅱ)イオン)Zn^{2+}(亜鉛イオン) 

O^{2-}(酸化物イオン)、SO4^{2-}(硫酸イオン)CO3^{2-}(炭酸イオン) 

3価…Al^{3+}(アルミニウムイオン) 、PO4^{3-}(リン酸イオン) 

 

 

イオンと周期律 

 この⑺節ではまずイオン化エネルギー電子親和力という『原子がどのくらいイオンになりやすいか』を表す言葉を紹介する。 

 )イオン化エネルギー…ある原子から1つ電子を取り去るのに必要なエネルギー。イオン化エネルギーが大きいということは電子をある原子から取り去るのがとても大変(エネルギーがたくさん必要)ということを意味する。 

 Naは最外殻電子が1つで、その1つを放出してNa^{+}になりたいので、とてもイオン化エネルギーは小さい。 

ex)希ガス原子は最外殻電子が8つで、ちょうど安定なので1つも電子を放出したくなく、イオン化エネルギーはとても大きい。 

 

この2つの例から分かるように、イオン化エネルギーは周期表の右へ行くほど大きくなる(最外殻電子が1つ、2つなら放出したがるが、5つ、6つ…と増えていくと放出するより受け取って陰イオンになりたくなってくる。) 

★発展 

 原子核の+と最外殻電子の−とのクーロン力による結びつきが強ければ強いほど電子を取り去りにくくなり、イオン化エネルギーが大きくなる。そのため、周期表の下へ行けば行くほど、最外殻電子と中心の原子核が離れていくため、クーロン力は弱くなり、電子を取り去りやすくなる。つまり、周期表は下へ行くとイオン化エネルギーは小さくなっていく。 

 イオン化エネルギーは右上のHeが最大 

 

)電子親和力ある原子に電子を1つ与えた時に、どのくらい安定化するか、というエネルギーの値。電子親和力が大きいということは、電子を1つ受け取るととても安定になるということを意味する。 

 ex)Fは最外殻電子が7つなので、あと1つ電子をもらってF^{-}になって安定な希ガス配置になりたい。そのためFは電子親和力が大きい。 

ex)Naは最外殻電子が1つなので電子を1つもらってもいらない、どころかむしろ電子を放出したい。そのため、Naは電子親和力は小さい。 

 

 これらから見て分かる通り、電子親和力も周期表の右へ(上へ)行くほど大きくなる(ただし希ガスは除く。希ガスは考えないのが通例。) 

 (このように、周期表では規則正しく、似た性質を持つ元素が周期的に表れる。これを周期律という。特に縦に周期表を見ると似たものが多い。) 

)イオン半径 →イオンの大きさも実は周期的に変化していく! 

ここではまず、NaNa^{+}FF^{-}のイオン半径を比べてみる。 

NaNa^{+}

最外殻が1つ内側になるため、 

明らかに Na>Na^{+}

    ⇩ 

一般的に陽イオンになると半径は小さくなる。 

FF^{-}

新しく入った電子が既存の電子が反発しあって広がるため、               

FF^{-}

 

一般に陰イオンになると半径は大きくなる。 

 

Na^{+}F^{-}(どちらもNe型配置) 

Na^{+}F^{-}も電子配置は同じだが、もともとがNaとFであるため、 陽子の数が異なる。
Naは中心が+11で、Fは中心が+9である。 

 

クーロン力は+11のNaの方が大きい 

 

原子核と電子が引き付け合う力はNa^{+}の方が大きい 

 

Na^{+}の方が電子が強く内側に引き付けられるので、Na^{+}F^{-}という大小関係になる。 

 

 

★クーロン力の式(物理) 

電荷q1q2の2つの間にはたらく力Fの大きさは 

F=k\dfrac{q_{1}q_{2}}{r^{2}}  

となり、距離が近いほどFが大きく、また電荷が大きいほどFは大きくなる。 

 

Mg^{2+}O^{2-}Na^{+}Al^{3+}F^{-}NeはどれもNe型の電子配置だが、
陽子の数を考えるとAl^{3+}Mg^{2+}Na^{+}
NeF^{-}O^{2-}の順にクーロン力は強くはたらくため、
イオン半径は、O^{2-}F^{-}
NeNa^{+}Mg^{2+}Al^{3+}>となる。 

 

★ここまでは原子1つ1つについて細かく見てきたが、実際にはH_{2}O(水)などがよく知られているように、原子と原子はくっついて存在しているものが多い。
このように、原子がいくつか集まって1つのグループを作ったものを分子という。また、原子と原子がくっつくことを結合するという。この結合は以下の3つのパターンがある。 

  1.  イオン結合金属元素非金属元素の結合
  2. 共有結合非金属元素非金属元素の結合
  3. 金属結合金属元素金属元素の結合 
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